国際結婚の子の国籍は

国際結婚したときの子供の国籍はどうなるのか

男性普通
友人男性

確か娘さん、旦那さんの出身地のアメリカで生まれたんだっけ。

女性喜ぶ
女性

そうなの。だから今のところ日本とアメリカの両方の国籍を持ってるの。

男性心配
友人男性

でも、そのうちどっちか選ばないといけないんだよね?どうするの?

女性ひらめく
女性

それは決めなきゃいけない時期に本人に決めさせるわ。

国際結婚をした場合、子供が生まれたときにその子の国籍がどうなるのかについて知っておく必要があります。国籍の状況によってはその後一定の時期に手続きが必要になる場合もあるからです。

その前にまず国際結婚すると、結婚当事者の国籍や戸籍といったものがどうなるのか簡単に説明しておきます。

国際結婚したときの国籍は

一部を除いて国際結婚しても、国籍が変化することはありません
国際結婚してもほとんどの場合、相手の国の国籍を取得できることはないからです。

ただ逆に言えば一部の国の方と結婚した場合自動的に相手国の国籍を与えられ、一時的に日本人の方が二重国籍となり、「国籍選択届」の提出が必要となる場合があります。

気になる方はこちらの法務省のページをご覧ください。

国際結婚したとき作成される戸籍は

国際結婚が成立して日本での手続きが済むと、1週間ほどで新しい戸籍が作成されます。
戸籍の筆頭は必ず日本人配偶者となります。現状日本では外国人筆頭の戸籍は作成されません。

また、外国人配偶者については戸籍の「婚姻」の欄に記載されるのみで、日本人同士の婚姻のような記載はされません。

CAUTION

この、戸籍の記載や外国人筆頭の戸籍が作成されないことについて不満を持つ外国人配偶者の方は結構おられます。特に男性の外国人配偶者の方からは納得いかないとの声を時々耳にします。

子供の国籍はどういう基準で決まるのか

国籍の取得はその国の国籍に関する法律(日本では国籍法)に定められており、生まれた子が取得する国籍はその各国の国籍に関する法律によることになります。

そして各国の国籍取得に関する法律の規定には、大きく分けて「生地主義」と「血統主義」の2つのタイプの決め方があるとされています。

生地主義とは

「生地主義」とは両親の国籍に関わらず、自国の領域内で生まれた子供にはその国の国籍を与えるという考え方です。

この考え方の代表例がアメリカであり、「現在のところ」例え両親が日本人であってもアメリカで生まれれば、アメリカ国籍を取得できます。
一時期中国の富裕層がアメリカのボストン等で出産して子にアメリカ国籍を取得させる、ということがニュースになっていたことを覚えている方もおられると思います。

CAUTION

もっとも、最近トランプ大統領が国籍取得規定の見直しを表明していますので、今後どうなるのかはわかりません。

この「生地主義」にもバリエーションがあり、例えば「父母の一方が市民権を有するか、または国内に定住していること」などの条件付きの「生地主義」を採用している国もあります。それぞれの採用国は以下のようになります。

生地主義を採用している国

アルゼンチン、カナダ、アメリカ、ブラジル、アイルランド、グレナダ、ザンビア、タンザニア、ニュージーランド、パキスタン、バングラデシュ、フィジー
など

条件付き生地主義を採用している国

イギリス、オーストラリア、オランダ、ドイツ、フランス
など

血統主義とは

「血統主義」とは、子の親がその国の国民であれば子供は外国で生まれても、親の国籍を取得するという考え方です。

「血統主義」はさらに大きく父親の血統だけを重視する「父系優先血統主義」と、父と母の両方の血統を認める「父母両系血統主義」2つに分かれることになり、日本は父と母のどちらかが日本人であればよいという「父母両系血統主義」を採用しています。

それぞれの採用国は以下のようになります。

父系優先血統主義を採用している国

アラブ首長国連邦、アルジェリア、イラク、イラン、インドネシア、エジプト、オマーン、クウェート、サウジアラビア、シリア、スーダン、スリランカ、セネガル、マダガスカル、モロッコ、レバノン
など

父母両系血統主義を採用している国

日本、アイスランド、イスラエル、イタリア、エチオピア、エルサルバドル、オーストリア、オランダ、ガーナ、ギリシャ、スウェーデン、スペイン、スロバキア、タイ、中国、韓国、デンマーク、トルコ、ナイジェリア、ノルウェー、ハンガリー、フィリピン、フィンランド、ブルガリア、ポーランド、ルーマニア
など

具体的な子供の国籍は

具体的な子供の国籍は次のようになります。

外国人配偶者の国が父系優先血統主義の場合

外国人配偶者が父親でこの国の国籍をもつ場合、子供は父親の国の国籍と日本の国籍を取得し、二重国籍になります。
外国人配偶者が母親でこの国の国籍をもつ場合、子供は母親の国の国籍を取得しないので、日本国籍のみになります。

外国人配偶者の国が父母両系血統主義の場合

外国人配偶者が父親であるか母親であるかを問わず子供は両親の国籍を取得し、日本と当該国の二重国籍になります。

生地主義の国で出産した場合

外国人配偶者が父親であるか母親であるかを問わず、子供は出生した国の国籍と日本の国籍を取得し、二重国籍になります。
また、外国人配偶者の国が血統主義の場合、その国の国籍も取得する可能性があります。

国籍選択の必要性

上記の通り国際結婚の夫婦に生まれた子供や一部該当国の外国人男性と国際結婚をした日本人女性は二重国籍となる場合があります。
そして二重国籍となった場合には上記の国籍選択の手続きをしなければ、思いもよらずに日本国籍を失う場合があります。

一部該当国の外国人男性と国際結婚をし、二重国籍となった女性は22歳まで又は二重国籍となった日から2年後の遅い方まで、出生から二重国籍である子供は22歳までに国籍を選択しなければならないとされており、この期限を超えると法務省から催告の通知が届き、さらに国籍選択しないまま1ヵ月間放置していると日本国籍を失うことになります。

自身が二重国籍となっている、または子供が二重国籍となっている方は思いがけずに日本国籍を失わないように注意してください。

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投稿者プロフィール

勝見 功一
勝見 功一申請取次行政書士
京都市上京区で申請取次行政書士をしています。
在留資格の情報を中心に、配偶者ビザ申請に役立つ情報の提供をしています。
よろしくお願いします。

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