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永住より「日本国籍」が安全?審査厳格化の中で「帰化」を選ぶメリット・デメリット

永住権・永住ビザ

2024年の入管法改正により「永住権の取消制度」が新設され、これまで「一度取れば安泰」と思われていた永住者の地位に変化が起きています。

2026年現在、永住許可のガイドライン改定(令和7年10月)や帰化要件の見直し検討など、外国人材の定住に関するルールは全体的に厳格化の傾向にあります。

「永住許可」と「帰化(日本国籍取得)」、どちらを目指すべきか。特に「身分の安定性」という観点から、法改正後の最新状況を踏まえてメリット・デメリットを比較します。


なぜ「永住権」は安全と言えなくなったのか

これまでの永住者は重大な犯罪を犯さない限り、在留資格を失うことはほとんどありませんでした。しかし、法改正により状況は一変しました。


実はこれまで永住を失う理由で多かったのは「みなし再入国の期限内に帰国できなかった」パターンです。
みなし再入国の期限を過ぎればほぼ問答無用で永住を失うことになります。

新設された「取消事由」のインパクト

2024年6月に成立した改正入管法(施行は2027年予定)では、以下の行為が永住許可の取消対象として明記されました。


  1. 公的義務の不履行: 税金や社会保険料を「故意に」滞納すること。

  2. 特定の重大犯罪による拘禁刑: 執行猶予付きであっても、一定の罪(窃盗や傷害など)で拘禁刑(懲役・禁錮)に処された場合。

つまり、永住許可を得た後も犯罪を犯さないのはもちろん、日本人と同様に納税や社会保険料を納める義務を果たさなければ、その地位を失うリスクが生じたのです。

「永住」とは「在留期限がない」だけであり、「絶対に日本にいられる権利」ではないことが明確化されました。


「帰化(日本国籍)」が持つ究極の安全性

一方で、帰化して日本国籍を取得した場合、その地位は「在留資格」ではなく「国民としての権利」となります。


取消制度が存在しない

日本国籍には、永住権のような「取消制度」はありません。一度許可されれば納税の遅れや軽微な法令違反があっても、国籍を剥奪されて強制送還されることは憲法上あり得ません(※申請内容に重大な虚偽があった場合を除く)。

法的な身分保障という点では、永住権よりも圧倒的に強力で安全です。


その他のメリット

  • 参政権: 選挙権・被選挙権が得られ、日本の政治に参加できます。

  • 再入国許可が不要: 海外渡航の制限がなくなり、数年単位で海外に住んでも地位を失いません。

  • 日本パスポート: 世界中の多くの国にビザなしで渡航できます。

  • 社会的信用: 住宅ローンや就職において、日本人と全く同じ扱いを受けられます。

帰化を選ぶ「デメリット」と高いハードル

しかし、帰化には永住にはない大きなデメリットと、厳格化が進む審査の壁があります。


デメリット①:母国籍の喪失

日本は二重国籍を原則認めていないため、帰化するには母国の国籍を離脱する必要があります。

母国のパスポートを失うため、里帰りの際にビザが必要になったり、母国での遺産相続や財産所有に制限がかかったりする可能性があります。これが多くの人にとって最大の懸念点です。

【例外】 母国が国籍離脱を認めない場合など、特別な事情があると認められる場合は、例外的に帰化が許可されるケースもあります。​が、例外でしかない事には注意です。


デメリット②:審査の厳格化(2025年以降の傾向)

帰化審査もまた、厳格化が進んでいます。


  • 居住要件の厳格運用: 原則「引き続き5年以上」の居住要件について、運用上は10年以上の在日実績を求める方向で検討が進められています。

  • 日本語能力: 面接や筆記試験で、N3相当以上(小学校高学年レベル)の実用的な日本語力が確認されます。

  • 素行要件: 交通違反や年金・保険料の支払い状況は、永住申請と同様かそれ以上に細かくチェックされます。

比較表:永住 vs 帰化(2026年最新版)

比較項目 永住許可(Permanent Residence) 帰化(Naturalization)
法的地位 外国人(在留資格の一つ) 日本人(日本国籍)
身分の安全性 中〜高(改正法により取消リスク増) 極めて高い(原則剥奪なし)
国籍 母国籍を維持 母国籍を喪失(原則)
居住要件 原則10年以上 原則5年以上(運用上10年へ厳格化の動き)
審査の傾向 厳格化(税・社保の完納、厳格な届出) 厳格化(日本語力N3以上、定着性、順法精神)
維持の要件 在留カード更新(7年)、再入国許可、納税義務 特になし(日本人と同じ)
参政権 なし あり
こんな人におすすめ 母国との繋がりを保ちたい、将来帰国する可能性がある 日本に骨を埋める覚悟がある、絶対的な安心が欲しい

結論:安全性なら「帰化」、アイデンティティ重視なら「永住」

「審査厳格化」の波は、永住と帰化の双方に押し寄せています。

もしあなたが「将来的なビザの心配をゼロにしたい」「強制送還のリスクを完全に無くしたい」と考えるなら、母国籍喪失のリスクを負ってでも「帰化」が最も安全な選択肢です。

一方で、「母国のパスポートは手放せない」という場合は「永住」を選択することになりますが、その場合は「永住者になれば自由」というこれまでの感覚を捨て、日本人以上に法令順守を徹底する覚悟が必要となっていくことは否定できません。

専門家としては、ご自身のライフプラン(親の介護、資産状況、将来の居住地)を総合的に見極めて選択することをお勧めします。


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この記事を書いた行政書士は
勝見 功一

はじめまして。京都市上京区でビザ申請手続きのお手伝いをさせていただいております申請取次行政書士の勝見です。
まだまだ若輩者ですが、持ち前のフットワークの良さを活かして迅速かつ誠実に対応させていただきます。初回の相談は無料ですのでまずはお気軽にお問い合わせ下さい。
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