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「永住者なら安心」は過去の話──新設された取消制度の全貌と、在留カード更新時の注意点【2026年最新】

永住権・永住ビザ

これまで永住権(永住許可)は「日本における最強のビザ」とされ、一度取得すれば重大な犯罪を犯さない限りその地位は揺るがないといえるものでした 。

更新手続きも7年に1度のカード交換のみで、審査らしい審査はありませんでした。

しかし、2024年6月14日に成立し、同月21日に公布された入管法改正(令和6年法律第60号)により、その常識は完全に覆されたといっても過言ではありません 。

新設された「永住許可の取消制度」(公布から3年以内、2027年6月までに施行予定)により、永住者であっても納税義務や届出義務を「故意に」怠れば、その在留資格を剥奪される可能性が明文化されたのです 。

本記事では法務省が公表した「永住許可制度の適正化Q&A」に基づき 、多くの永住者がまだ気づいていない「取消リスク」の具体例と、あなたと家族の生活を守るために今すぐ確認すべきポイントを解説します。


永住許可が取り消される「3つの新ルール」──法務省Q&Aより

改正法で追加された取消事由(入管法第22条の4第1項第8号・9号)は、決して特別なことではありません。しかし、「悪質な者を対象とする」という趣旨が明確にされています 。


① 公租公課(税金・社会保険料)の「故意の未納」

内容:
住民税、国民健康保険、国民年金などを、支払い能力があるにもかかわらず意図的に滞納すること 。

法務省の定義:
「故意に公租公課の支払をしないこと」とは、支払義務があることを認識しているにもかかわらずあえて支払をしないことをいい、例えば、支払うべき公租公課があることを知っており、支払能力があるにもかかわらず、公租公課の支払をしない場合などを想定している、とされています 。

除外される(と思われる)ケース:
病気や失業など本人に帰責性があるとは認めがたく、やむを得ず公租公課の支払ができないような場合は在留資格を取り消すことは想定していない、とされています 。

重要な注意点:
差押処分等により公租公課が充当されたとしても、それによって必ずしも在留資格の取消対象とならないというものではないようではあります。実際に取消しするかどうかは、未納額、未納期間、督促等への対応状況等を踏まえて総合的に判断されます 。


② 入管法上の届出義務違反(特に住所変更)

内容:
引越しをしてから90日以内に、市区町村役場で「転入届(住居地変更届)」を出さないこと。または、虚偽の住所を届け出ること 。

法務省の定義:
「この法律に規定する義務を遵守せず」とは、入管法が規定する永住者が遵守すべき義務で、退去強制事由として規定されている義務ではないが、義務の遵守が罰則により担保されているものについて、正当な理由なく履行しないことをいいます 。

除外されるケース:
「うっかり在留カードを携帯しなかった場合や在留カードの有効期間の更新申請をしなかった場合に在留資格を取り消すことは想定していません」と法務省は明言しています 。

リスク:
「忙しくて忘れていた」「実家に住民票を置いたまま」というケースでも、督促を無視し続ければ悪質とみなされる可能性があります。


③ 特定の罪による拘禁刑(執行猶予含む)

内容:
刑法の窃盗、詐欺、恐喝、殺人の罪や、危険運転致死傷など、一定の重大な刑罰法令違反(いずれも故意犯)により「拘禁刑(懲役・禁錮)」に処された場合 。

除外されるケース:


  • 過失運転致死傷(交通事故の過失犯)は対象外

  • 道路交通法違反は対象外

  • 罰金刑は対象外(拘禁刑のみが対象)

変更点:
これまでは「1年を超える実刑」が退去強制の基準でしたが、改正後は1年以下の場合や執行猶予付きの判決でも、永住許可の取消対象になり得ます 。​ただし上記の通り過失犯は対象外です。


7年に1度の「カード更新」が事実上の審査に?

これまで永住者証明書(在留カード)の有効期間更新は、単なる写真の交換手続きでした。

しかし、取消制度の導入に伴い、窓口でのチェック体制が厳格化されることを予想する専門家もいます。


今後予想されるかもしれない運用

更新申請時に、入管のシステム上で「納税状況」や「届出状況」が即座に照会される可能性があります 。

もしそこで「故意の未納」や「住所不定」が発覚すれば、カードの更新が保留されるだけでなく、そのまま「在留資格取消手続」に移行するという最悪のシナリオも考えられなくもありません。


永住者の「配偶者」も影響を受ける可能性

法務省Q&Aによれば、「永住者」本人の在留資格が取り消された場合、その配偶者が「永住者の配偶者等」ビザを持っている場合は、「定住者」などの在留資格に変更していただくことになりますと明記されています 。

ただし、配偶者自身が「永住者」ビザを持っている場合は、配偶者の在留資格に影響はありません 。


永住権を守るための「3つの防衛策」

制度施行(2027年6月まで)までに、以下の3点を徹底して習慣化してください 。


対策①:税金・保険料は「口座振替」か「給与天引き」に

「コンビニ払い」は支払い忘れの元です。

国民年金や国民健康保険は必ず銀行口座からの自動引き落とし(口座振替)に設定するか、可能であればクレジットカード払いに変更し、「未納が発生しない仕組み」を作ってください。

法務省の見解:
「支払能力があるにもかかわらず支払わない」場合が取消対象であり、自動引き落としにすることで「故意性」を否定する証拠にもなります 。


対策②:引越したら「14日以内」に役所へ

入管法上の期限は90日ですが、住民基本台帳法では「14日以内」が原則です 。

「引越し=即役所」を鉄則にし、新しい在留カードの裏面に新住所が記載されていることを必ず確認してください。


対策③:住所変更を忘れているなら「今すぐ」行く

もし現在、実際に住んでいる場所と在留カードの住所が違っているなら、明日一番で役所に行ってください

「遅れてごめんなさい」と自主的に届け出れば、まだ間に合います。制度が厳格化された後に発覚するのが一番危険です。


取消事由に該当しても「必ず退去」ではない

法務省Q&Aでは、取消事由に該当する場合であっても、直ちに在留資格を取り消して出国させるのではなく、当該外国人が引き続き本邦に在留することが適当でないと認める場合を除き、法務大臣が職権で永住者以外の在留資格(多くの場合「定住者」)への変更を許可することとしています 。


再度の永住許可も可能

「定住者」などの在留資格に変更された場合であっても、その後公的義務が適正に履行されていることなどが確認できれば、再度、永住許可を受けることが可能です 。


まとめ:基本的には「悪質でなければ大丈夫」だが、油断は禁物

法務省は繰り返し「永住許可制度の適正化は、適正な出入国在留管理の観点から、永住許可後にその要件を満たさなくなった一部の悪質な者を対象とするものであり、大多数の永住者を対象とするものではありません」と強調しています 。

しかし、「悪質」かどうかの判断は、未納額、未納期間、督促への対応など、個別具体的な事情に応じて判断されるため、「少しくらい遅れても大丈夫だろう」という甘い認識は禁物です 。

真面目に暮らしている大多数の永住者にとっては過度に恐れる必要はありませんが、当たり前の義務(納税・届出)をもう一度見直し、「故意」とみなされないよう、証拠となる記録を残す習慣を身につけてください。


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この記事を書いた行政書士は
勝見 功一

はじめまして。京都市上京区でビザ申請手続きのお手伝いをさせていただいております申請取次行政書士の勝見です。
まだまだ若輩者ですが、持ち前のフットワークの良さを活かして迅速かつ誠実に対応させていただきます。初回の相談は無料ですのでまずはお気軽にお問い合わせ下さい。
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