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経営・管理ビザと500万円の出資

経営・管理ビザと500万円の出資

経営・管理ビザ申請の中で最重要とされる500万円の投資要件。
このことから逆に「500万円さえ準備すればビザが取れる」と考える方も多いようです。

この500万円の投資要件については基本的には平成27年の改正でも維持されていると言われています。

今回はこの経営・管理ビザと500万円の出資について少し掘り下げていきたいと思います。

「500万円以上の投資」の経緯

まずは「なぜ500万円になったのか」を簡単に説明しておきます。
あまり詳細に説明しても現在の実務にさほど影響のない部分ですので簡単に触れておきます。

かつては現在の500万円の要件よりもかなり高い要件が必要とされていたようです(「2人以上の日本に居住する常勤職員」が必須他)が、これらの要件は経済的負担などで事業運営を困難とさせるとの理由から、諸方面から基準の緩和又は撤廃の要求があり、それを受けて合理的なガイドラインが作られて最終的には現在のような形に収まった、といったところです。

「500万円以上の投資」の意味するものは

経営・管理ビザの500万円の出資については会社を設立して資本金とするのが一般的です。
個人事業でも経営・管理ビザの許可が下りないわけではありませんが、500万円の出資についての立証が面倒なので、立証の容易な会社設立を選択する場合がほとんどであると言えます。

ただ、この500万円に関しては準備できればなんでもよい、というわけではありません

資金の出所を入管に問われる可能性

経営・管理ビザの申請手続で、500万円をどのように調達したかを確認されることはそう珍しいことではありません。というか基本的に調達手段ももちろん重要だと言えます。

なぜなら入管としてはその申請人の経営者としての適性を見たいわけですから資金調達能力も経営能力の一つの指標であるというのが一つ。
もう一つの理由は本当に調達した資金であると言えるのか、出所が怪しい資金であったり、一時的に手元にあるだけのものではないかということです。
例えば、知人から「経営管理ビザの申請中だけ」という約束でお金を借りて会社の資本金に充て、ビザの許可が下りたとたんに銀行からお金をおろして知人に返済することは「見せ金」といわれる違法行為です。

本国からの送金上の注意

例えば日本に留学や他の就労ビザ等で在留中にコツコツ資金をためていた場合や、徐々に本国から資金を移していた場合はいいですが、急に500万円余りを本国から日本に送金するとなると、いろいろと難しい問題があります。

まず、現金で日本に持ち込む場合は100万円以上は税関に申告しなければなりませんので、税関に申告した証明書が必要になります。
また、国によってはそれ以外にも通貨の持ち出しや海外送金に制限のあるところがあり(中国の銀行での海外送金について年間5万ドルまで等)、いざ準備しようと思ったら送金できなかった・・・などということが無いように注意が必要です。

親や親類などから資金を調達(援助・借金)する場合

基本的に自分ですべての資金を調達できることが望ましいと言えますが、実際のところ難しい場合も多いと思われます。
そういった場合に一般的なのが親や親類等に援助してもらったり借りるといったことですが(外国人が日本で借金を申し込むことはほぼできない)、その場合でも出所は明確にしておく必要があります。送金記録等は必ず残しておくようにしましょう。

500万円準備と共にやっておきたいこと

このように500万円の調達についてはただ単に集めればよいということではなく、その出所も重要です。

海外から日本に移住して起業をする場合はもちろん、日本に留学や就労系のビザで在留する方が起業を目指す場合は計画を立てて準備を進めていくことをおすすめします(もっとも、留学で在留している方は、資格外活動許可の範囲内でしか就労できないので日本で資金をためることは現実には難しいでしょうが)。

給料の中からの貯蓄を中心に自己資金で賄う予定ならばその証拠をしっかりと残す(銀行口座に貯金していったり源泉徴収票をとっておいたり)、本国から送金する場合は全てしっかりと送金記録を残しておくなどです。
こういった地道な努力が経営・管理ビザの申請に大きく役立ってくれます。

ビザ申請後の500万円の資金について

最初の「500万円さえ準備すれば~」と共に多くみられるのが「最初の申請の時にさえ500万円あればいい」との考え方です。
しかしこれは残念ながら正しいとは言えません。

更新の申請時にも「事業の継続性」の審査がある

もちろん事業の資金ですので事業のために使用すること自体は当然ありうるところですし、それ自体は問題ありません(上記「見せ金」のような場合を除く)。
しかし更新時に資金を使い果たし、決算報告書が赤字である・・・などということになると、「事業の継続性」に赤信号が灯り、更新の許可が下りない可能性が高くなります。

経営・管理ビザ取得後も「事業の継続性」に疑問を持たれないよう、黒字の決算報告書を用意できるように堅実な経営をしていくことが重要です。

この記事を書いた行政書士は
勝見 功一

はじめまして。京都市上京区でビザ申請手続きのお手伝いをさせていただいております申請取次行政書士の勝見です。
まだまだ若輩者ですが、持ち前のフットワークの良さを活かして迅速かつ誠実に対応させていただきます。まずはお気軽にお問い合わせ下さい。

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