在留特別許可に係るガイドラインの見直し
2024年3月5日、出入国在留管理庁は本年6月に施行が予定されている出入国管理及び難民認定法の改定在留特別許可に係るガイドラインの改定を発表しました。こちらで新ガイドラインの内容を確認できます。
新ガイドラインの内容は
在留特別許可判断の透明性・公平性の向上が目的
まず改正法の施行によって、在留特別許可の申請手続が創設されることになります。申請手続創設に従って申請判断の透明性・公平性の向上をうたっているといえるでしょう。
ガイドラインの読み方のポイントとなるのが「考慮事情」や「積極要素」、「消極要素」とされているものです(※)。
※これらの要素をどう判断するかで今回の新ガイドラインをどう評価するかが分かれると言えるでしょう。
それぞれの要素はどう判断されるのか
まず考慮事情とされているのが在留を希望する理由、家族関係、素行、入国経緯、在留期間と法的地位、退去強制の理由となった事実、人道上の配慮の必要性、そして国内外の諸情勢などが含まれ、それらが総合的に判断されるとのことです。https://visa.katsumi-office.com/visa/page07.html
注意が必要なのは「第三」に記載されているように、「考慮する積極要素が存在するからといって、必ず在留特別許可がされるというものではなく、逆に、特に考慮する消極要素が存在するからといって、一切在留特別許可がされないというものでもありません」であるということ、第一の2に記載されているように「外国人に対して例外的・恩恵的に行われる措置であり、その判断は、法務大臣の極めて広範な裁量に委ねられており」となっていることです。
例外的・恩恵的を強調していることからも、ガイドラインを読んでみて積極要素が多いように思えてもあまり楽観的になることは難しいと言えます。
第3 積極要素及び消極要素の考慮の在り方等
在留特別許可の許否の判断においては、個々の事案ごとに当該外国人の申立て内容だけでなく、具体的な根拠の有無や客観的な状況も考慮した結果、各考慮事情に認められる積極要素及び消極要素を総合的に勘案し、積極要素として考慮すべき事情が消極要素として考慮すべき事情を明らかに上回る場合には、在留特別許可をする方向で検討することとなります。
したがって、特に考慮する積極要素が存在するからといって、必ず在留特別許可がされるというものではなく、逆に、特に考慮する消極要素が存在するからといって、一切在留特別許可がされないというものでもありません
法改正による在留特別許可の申請手続創設を歓迎する意見と新ガイドラインの内容についての評価はいろいろあるのが現状といったところです。
しかし申請を検討されている方にとって重要なのはガイドラインの評価ではなく実際の申請にどう生かすか、ですので内容をよく検討して申請資料の作成にいかしていくことこそが重要となります。
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