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留学ビザから経営・管理ビザへの変更はなぜ難しいのか

留学ビザから経営・管理ビザへの変更の難易度の高さ

日本で大学等に在籍している、あるいは卒業した外国人の方からの経営・管理ビザへの変更の相談は、当事務所にも多数寄せられます。

経営・管理ビザの場合、管理者となる場合を除いて学歴要件や職歴要件は必要とされていませんので、このことから逆に「500万円の資金さえ準備すればビザが取れる」との考え方から留学生や卒業生だけでなく、学校を中退した(予定)方が相談に来られるケースも見られます。

ただ、その多くの相談者の中から実際に留学ビザから経営・管理ビザへの在留資格変更申請まで行った方はかなり少数です。
かなりの方が申請の難易度の高さゆえに申請まで行くことができずに諦めているのが実際のところです。

今回はこの留学から経営・管理ビザへの変更について少し掘り下げていきたいと思います。

なぜ厳しいか~経営者としての適性~

まずは「なぜ留学ビザから経営・管理ビザへの変更は厳しいのか」を簡単に説明しておきます。

前述したように経営・管理ビザの場合、管理者となる場合を除いて学歴要件や職歴要件は必要とされていませんが、そのためやや安易に申請を考えてしまう場合も多くみられます。

「とりあえず会社を作って500万円用意してビザを取ろう」といったようなことです。

しかし学歴・職歴を必要としないことはビザが取得しやすいことを意味しません。
むしろそういったやや安易な申請が多いことから、入管の審査官の目はより厳しいものになっていると言えます。

入管が経営・管理ビザに求めているものは、経営者としての適性・資質といったものです。
「500万円以上の投資」もその一つの要件にすぎません。たとえ500万円以上投資したとしても、経営者としての適性・資質がないと判断されれば経営・管理ビザへの変更は認められないのです。留学から経営・管理への変更の難しさがここにあります。

通常留学からのビザ(在留資格)変更は、どこかに就職しての技術人文国際ビザなどの就労ビザであることが大部分を占めるといえます。
そのため留学から経営管理への変更については基本的に入管は「就職できなかったから経営管理を取ろうとしているのだろう」と考えます。

また、学歴・職歴を必要としないと言っても、やはり社会人経験のまったくない留学生がいきなり会社を運営していけるのかという疑問を持たれてしまうのも当然のことでしょう。

なお中退者の場合、中退の理由を合理的に説明できる場合を除き、状況はより厳しくなります。入管からすると「なぜ卒業を待たないで起業するのか。学業をきちんと最後まで修めることのできない人物が、会社を経営していくことができるのか?」ということです。また、在留状況が良くないと問題視される可能性もあります。

このように留学ビザからの経営管理ビザへの変更は、かなり不利な条件を覆すことが必要となるのです。

留学生でなくとも経営・管理ビザの取得は入管申請において最も難易度の高い部類の申請になります

経営管理ビザへの変更のためにできること

500万円の出資の出所を明確にする

経営・管理ビザの500万円の出資については会社を設立して資本金とするのが一般的です。
ただ、この500万円に関しては準備できればなんでもよい、というわけではないことは別に説明しました。
500万円の出資のポイントについてはこちらをご覧ください

ただ、留学生の場合、出資の出所についてより厳しくみられるところがあります。
なぜかといえば留学生は学業が本分であり、収入を得る活動は「資格外活動許可」の範囲内でしか行うことができないからです。

資格外活動許可で就労できるのは週28時間です

仮に4年制大学に通っている間、全期間通じて資格外活動許可を得てその範囲内で就労し、そのほとんどを事業資金として貯めていたとしても、500万円以上集めることはかなり困難であると言えますので、資金について「アルバイトで貯めました」などという説明をすれば、資格外活動許可以外の時間についても違法就労していた疑いをかけられる恐れがあります。

実際のところ、留学生が資金を集める場合は資金援助にせよ借金にせよ親族に頼ることが通常であろうと思われます。その場合、申請においては親族からの資金であることを送金記録等を通じてきちんと説明できるようにしておくことが重要です。

資金集めは経営者としての資質を測る上で重要なポイントですので自己資金であることをアピールしたいところではありますが、絶対に虚偽を記載したりせず、親族からの資金であれば送金記録等で事実をきちんと立証できるようにし、他の要素でアピールするよう努めるべきでしょう。

事業計画書を作り込む

資金面ではあまり経営者としての資質のアピールは望みにくい状況ですので、経営・管理ビザへの変更には事業計画をしっかり立てたうえでそれを事業計画書にいかに表現してまとめることができるかが最重要と言えます。

なぜなら入管が経営管理ビザの審査で重視する要件の一つが事業の継続性・安定性ですが、事業の継続性・安定性の審査は事業計画書によるものが中心だからです。

ここで事業に関するビジョンをきちんと示し、かつ自分の学んだことや専門性・強味をどう生かすかをアピールすることができれば不利な状況を覆すことに大きく近づきます。

逆に言えば、留学生がテンプレ通りしか記載されていないような事業計画書を申請に使用した場合、申請のハードルはかなり上がるのではないかと思われます。

なるべく早くから準備する

留学ビザから経営管理ビザへの変更を検討しているのであれば、なるべく早期に取り掛かる方が良いでしょう。

経営管理ビザの申請は準備に時間を要します。
上記以外にも経営管理ビザには事業所の要件もあるので、事業所の確保等も必要になりますし、会社を設立する場合や許認可を取得する必要がある場合もあります。
また、良い事業計画書を作成するためにはそのための準備が必要になります。

いずれにせよ、留学ビザから経営管理ビザへの変更はかなり高いハードルであることに変わりありません。
そのため基本的には社会人経験を積んでからのチャレンジをお勧めしますが、挑戦する場合は万全の準備を整えるようにしてください。

この記事を書いた行政書士は
勝見 功一

はじめまして。京都市上京区でビザ申請手続きのお手伝いをさせていただいております申請取次行政書士の勝見です。
まだまだ若輩者ですが、持ち前のフットワークの良さを活かして迅速かつ誠実に対応させていただきます。まずはお気軽にお問い合わせ下さい。

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