配偶者ビザと国民健康保険

国際結婚して配偶者ビザを取得し日本で生活していく上で、健康保険の加入・非加入は大きな意味を持ちます。

それでは配偶者ビザを持つ外国人は、健康保険に加入できるのでしょうか。ここでは主に国民健康保険を念頭に、説明していきたいと思います。

国民健康保険の概要

日本では国民皆保険制度という制度を採用しています。これは病気やけがをしたときに安心してお医者さんにかかれるよう、すべての人がいずれかの医療保険に加入し所得に応じて保険料を出し合い、お互いに助け合う仕組みです。

加入して保険料を納めておくことで医療費の自己負担額が軽減されるので、いざ病気やけがをしたときに困らずに済むということですね。

※なお、医療保険と言っても民間の保険会社等の保険ではありません

国民健康保険のほかには、職域を対象とする健康保険(サラリーマンの方など)や各種共済組合(公務員の方など)などがありますが、自営業者など多くの方が加入する国民健康保険は医療保険の中で基本的な役割を果たす保険であるといえます。

平成24年7月9日の法改正

平成24年7月9日から、外国人住民も「住民基本台帳制度」の対象になりました。これにより、日本に住所地のある外国人は適用除害事由に該当しない限り国保適用対象者であり、被保険者資格を有することになりました。

ここで注意が必要なのは、被保険者資格を有することになった外国人について日本の健康保険に「加入することができる」ではなく、「加入しなければならない」であることです。
健康保険への加入や保険料の納付は入管手続きにおいても、許可・不許可の大きな判断要素となっていると言われています。

日本人の配偶者は国保適用対象者?

女性ふつう
女性

うちの主人は外国人だけど、国民健康保険に加入できるのかな?

男性普通
友人男性

わからないけど、加入出来たら病気とかの時安心だね。

女性ひらめく
女性

そうなのよ、日本の国保制度って優秀らしいから、加入できるならしておきたいと思ってるの。
まあ、調べてからだけど

男性ひらめく
友人男性

高額療養費とかもあるし、加入出来たら民間の医療保険とかいらない人も多いらしいよ。加入できるんだといいね。
保険料がちょっと高いのがネックだけどさ。

配偶者ビザを取得して日本で生活している外国人は国保適用対象者なのでしょうか。適用除外事由は以下の通りです。

  • 在留期限が切れている
  • 在留期間が3月以下(※)
  • 在留資格が「短期滞在」、「外交」、「公用」
  • 「特定活動」の在留資格のうち、医療目的で滞在する人とその帯同者(医療ビザ)
  • 「特定活動」の在留資格のうち、観光、保養その他これらに類似する活動を行う18歳以上の方またはその方と同行する外国人配偶者
  • 日本と、医療保険を含む社会保障協定を結んでいる国の人で本国政府からの社会保障加入の証明書がある方
    職場の健康保険(社会保険)に加入している方
  • 職場の健康保険(社会保険)に扶養家族として加入している方
  • 75歳以上の方(後期高齢者医療制度の対象になります。)
  • 生活保護受給者

※なお在留期間が3月以下の場合でも、加入できることもあります。中長期の日本滞在を予定しているが許可された在留期間が3月以下になったものの、資料により3月を超えて滞在すると認められた場合などです。

適用除外事由からの検討

適用除外事由を順に見ていきましょう(在留期限が切れている場合は当然ですので除外します)。

まず、在留期間が3月以下というものですが、配偶者ビザの在留期間が3月以下というのは考えられません。
短期間しか日本に滞在しない外国人を除外する要件ですが、中長期の滞在を前提としている日本人の配偶者には関係ないものと言えます。

次の3つですが、それぞれの理由から(「外交」、「公用」は住民基本台帳制度の適用除外であることが理由)該当する在留資格の外国人を除外していますが、ここに配偶者ビザは含まれていません。

その次の3つはそれぞれ他の健康保険等の制度に加入していることを理由とするものになります。複数の制度の適用があることはおかしいですのでこれも当然のことになります。
最後は生活保護受給者を除外しています。

すなわち配偶者ビザで日本に滞在する方については、他の健康保険制度に加入していたり、生活保護を受給している場合でなければ国保適用対象者であり、また必ず加入しなければならない、ということになります。

国民健康保険加入手続き

国民健康保険に加入する手続きは、パスポート、在留カード、個人番号(マイナンバー)のわかるものを所持の上、住民票のある市区町村役場の国保年金課で行います。

国民健康保険に加入すれば、病気やケガの治療費の自己負担は1~3割程度となり、日本で生活していくには欠かせない制度となっています。

しかし一方で保険料の負担もかなりあるので保険料の負担を嫌って加入しなかったり、保険料を納付しなかったりする方もいるようですが、先述の通り、健康保険への加入や保険料の納付は入管手続きにおいても、許可・不許可の大きな判断要素となっていると言われていますので、今後の日本での生活のことを考え、加入や保険料納付を怠らないことをお勧めします。

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投稿者プロフィール

勝見 功一
勝見 功一申請取次行政書士
京都市上京区で申請取次行政書士をしています。
在留資格の情報を中心に、配偶者ビザ申請に役立つ情報の提供をしています。
よろしくお願いします。

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