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【2025年最新】経営管理ビザの事業所要件|賃貸契約の実務(自宅兼事務所の可否・写真の撮り方・電子契約で契約書が出ない場合の対応)

経営管理ビザの新規申請・更新では、事業の「物理的な実態(事業所要件)」が最重要ポイントの一つです。とくに最近は、オンライン完結の不動産賃貸が増え、「紙の賃貸借契約書が発行されない」「管理画面上の表示だけ」というケースがかなり見られるようになっています。さらに、自宅兼事務所(SOHO)での申請や、コワーキング・レンタルオフィス利用など、形態が多様化する中で「何が認められ、何が認められないのか」の判断が非常に難しくなっています。

本ガイドは、制度の趣旨(独立した事業用スペースの実在・継続性・用途適合)を押さえつつ、ペルソナである外国人経営者の実務負担を最小化するために、可否の判断軸、写真の見せ方、電子契約時の代替資料の組み立て方、よくあるNGと回避策まで、審査通過に必要な要点を整理しました。また、経営管理ビザの事業所要件ガイドもご覧ください。


経営管理ビザの事業所要件|審査で見られる3つの柱

  1. 独立した事業用スペースがあるか

  • 居住・共用スペースと区別された、継続的に業務を行える区画・席・室が確保されている。

  • デスク・収納・機材・通信環境など、業務に必要な設備が常設されている。

  1. 用途適合・許認可の整合が取れているか

  • 賃貸借契約・管理規約で事務所利用(SOHO含む)が許容されている。

  • 業種に応じた許認可(飲食・美容・福祉等)が必要な場合、要件に適合した物件・設備である。

  1. 継続性の裏づけがあるか

  • 契約・賃料支払の実績(または確実な見通し)が示せる。

  • 郵便・宅配・来客対応など、日常運用が実在していることが分かる。

ポイント


  • 住所貸し・郵便転送のみのバーチャルオフィス、フリーデスクのみで専有性が弱いケースは原則リスクが高い。

  • 説明は「文言」ではなく「写真・契約・支払記録・運用証跡」で、第三者が追える形に。

自宅兼事務所(SOHO)の可否|通すためのチェックリスト

可否の判断軸


  • 事業専用エリアが間取りや写真で明確に区分されている(パーテーション・部屋単位が望ましい)。

  • 事務所利用が契約・規約上で許容(SOHO可・事務所可)されている。

  • 来客を伴う業態なら導線・騒音・衛生など近隣配慮が可能。

  • 業務設備(デスク、収納、在庫・機材、固定電話/ネット回線等)が常設。

補強資料


  • 管理会社/貸主の事務所利用承諾書面※必須

  • 事業表示(ポスト/表札/プレート)の写真(可能な範囲で)※必須

  • 事業所内の業務什器・在庫・備品の全景とディテール写真※必須

  • 火災保険の事業利用特約(賠償範囲の明記)※あれば

NG傾向


  • リビングの一角にノートPCだけ、家財との混在が強い。

  • 規約上「住居専用」で事務所利用が禁止。

  • 許認可を要する業態(飲食など)で住居用設備のまま。

写真の撮り方|審査で「実体が伝わる」構図と順序

望ましい撮影方法


  • 全景→動線→席/機材→在庫/収納→来客スペース→郵便・表示→外観の順で、物語る。

  • 間取り図や見取り図に「番号」を振り、写真にも同じ番号を付して対応づける。

  • 撮影日・撮影箇所をキャプションで明記。個人情報は必要に応じてマスキング。

カット例


  1. 外観(建物・入口・表札/プレート)

  2. 入口から業務スペースまでの導線(専有性が分かるように)

  3. デスク配置・席数・機材(PC/プリンター/棚/ラベル/備品)

  4. 在庫・機材置場(ECや製造/修理等は重要)

  5. 会議・来客スペース(該当時)

  6. 郵便受け・宅配受け・受付運用(名称表示があれば撮影)

  7. 間取り図・面積の資料(写真に対応番号)

提出形


  • 「写真一覧シート」1枚にサムネイル+番号+説明。本文中は番号参照だけにして読みやすく。

  • 過度な演出は不要。常設・日常運用の“現実”が伝わることが最優先。

電子契約で「紙の賃貸借契約書」がない場合の代替資料

最近増えている電子契約の場合、以下の資料を複数組み合わせて提出することで、契約の存在と内容を証明します。


代替資料の組み合わせ例

  1. 電子契約サービスの管理画面のスクリーンショット
    (契約者名、物件住所、契約期間、賃料が分かる部分)

  2. 重要事項説明書(電子データ可)

  3. 賃料の支払いを証明する資料(銀行の振込明細、クレジットカードの利用明細など直近数ヶ月分)

  4. 入居時のやり取りが分かるメールやSMSの記録

  5. 管理会社や貸主が発行する「事務所使用承諾書」や「入居証明書」、あるいは最初個人名で契約し会社に借主の権利を譲渡したことにした場合の譲渡承諾書など(あれば最も強力)

提出のコツ: スクリーンショットにはPCの時計(日時)が写るようにし、各資料に番号を振って「どの資料が何を証明するか」を一覧にした説明文書を添えると、審査官にとって親切です。


コワーキング・レンタルオフィス・シェア型の可否と注意点

可否の目安


  • 専有席/専有室がある(フリーデスクのみは弱い)。

  • 事業者名の掲示・郵便/宅配/来客対応の実運用がある。

  • 契約主体が申請者/会社と一致。利用規約が就業・来客・郵便に適合。

必要資料


  • 利用契約(電子可、ただし上記注意が必要)、座席配置図/専有範囲の図示、ポスト表示・受付の写真、郵便受取の実績など。

  • 入退館ログや会議室予約履歴など、業務運用の足跡があれば補強に。

業種別ポイント(許認可・設備との整合)

  • 飲食・民泊・福祉など許認可業種
    許認可要件(用途、面積、衛生・導線等)を最優先し、事業所写真・契約と矛盾しないよう統一。

  • 物販/EC
    在庫・梱包・発送導線、ラベル・棚卸運用、宅配受けの実績が伝わる写真。

  • IT/コンサル・教育
    専有スペースの明確化、端末・帳票・情報セキュリティ(施錠・権限・保管)の体制が分かる。

提出パッケージ(推奨構成とチェックリスト)

推奨構成


  1. 概要(所在地・面積・用途・契約形態)

  2. 間取り図・面積証明(物件資料)

  3. 賃貸関係(電子契約+補助資料のセット)

  4. 賃料支払の証明(直近数か月)

  5. 写真一覧(番号・説明・対応見取り図)

  6. 事務所利用承諾書(必要に応じて)

  7. 許認可写し(該当業種)

チェックリスト


  • 用途適合(事務所可/SOHO可)

  • 専有性の確保(席/室/区画)

  • 名義の一致(申請者/会社)

  • 住所表記の統一(登記・申請・契約)

  • 写真と間取りの整合、撮影日の明記

  • 郵便・来客・宅配の運用が確認できる

よくあるNGと回避策

  • 住所貸し・バーチャルのみ → 物理スペース(専有席/室)へ。

  • フリーデスクのみ → 専有席/室を追加契約、掲示・郵便で補強。

  • 自宅兼で生活空間が前面 → 事業専用区画を明確化、業務什器を常設。

  • 電子契約の画面だけ → PDF化+重要事項・支払証明・承諾書で主要項目を補完。

まとめ|通る資料=専有性・用途適合・継続性の三点セット

経営管理ビザの事業所要件は年々厳格化していますが、ポイントは一貫しています。それは「そこで継続的に事業が行われる実体を、第三者が客観的に確認できる証拠で示す」ことです。

自宅兼事務所や電子契約であっても、今回解説したポイントに沿って「独立性・用途適合・継続性」を証明する資料を丁寧に準備すれば、許可の要件を満たすことは十分に可能です。準備に不安がある場合は、早めに専門家へ相談しましょう。

➡️ 経営管理ビザの事業規模要件について知りたい方はこちら:[経営管理ビザの事業規模要件ガイドを詳しく見る]

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この記事を書いた行政書士は
勝見 功一

はじめまして。京都市上京区でビザ申請手続きのお手伝いをさせていただいております申請取次行政書士の勝見です。
まだまだ若輩者ですが、持ち前のフットワークの良さを活かして迅速かつ誠実に対応させていただきます。初回の相談は無料ですのでまずはお気軽にお問い合わせ下さい。
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