「永住者の配偶者ビザは、日本人の配偶者ビザより審査が厳しいのか?」
この疑問はインターネット相談や現場の声で散見されます。申請者の間で「永住者のほうが不許可率が高い」「書類が多い」という印象があるようですが、審査基準や公式データを正確に比較すると、実際の“厳しさ”には基本的には誤解も多く含まれていると思われます。この記事では、制度根拠・通達・データに基づいて比較し「本当に厳しいのか」を解説します。
法令上の定義・審査基準
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日本人の配偶者ビザも永住者の配偶者ビザも「身分系在留資格」であり、申請で要求される証明内容(婚姻の真実性・同居意思・生活基盤の安定性)は基本的に同じです。
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制度上の違いは、日本人の配偶者ビザでは戸籍謄本による日本側起点の婚姻証明、永住者の配偶者ビザでは永住者本人の婚姻証明書(国外発行&翻訳)についても証明が必要になる点です。
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偽装結婚・不正利用防止の観点から「審査が厳格化」しているのは両カテゴリー共通であり、「永住者の配偶者だから必ず高い基準になる」根拠は法令にも通達にもありません。
申請フロー・必要書類・審査の実態
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申請フロー(COE認定申請、資格変更、在留期間更新)は両者ともほぼ同一。
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必要書類の違いは細部のみだが、永住者の配偶者ビザは国外証明・翻訳提出が増えるなど、追加資料リスクが高いのは事実。
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両者で重視される審査ポイント(婚姻経緯・収入・同居証明・交際説明・写真など)は近年どちらも「証拠力重視・提出後の追加要求」が増加傾向にあるといえる。
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交際期間が短い、年齢差が大きい、家族紹介が少ない等のケースでは、どちらのビザでも追加資料や事情説明が審査中に要求されるケースが多く、取り立てて差は見られない。
実務家の声・データ検証
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現場の行政書士の一部で「永住者の配偶者がやや厳しいかもしれない」と感じる背景は、申請者属性の多様性(書類発行国・言語・文化・再婚例・複数国籍・居住歴)によって書類の補完・説明に難しさが生じやすい点です。
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統計データ(法務省等)によると、全体の不許可率は1割〜2割強、両カテゴリーで大きな差に直結する公式数字はないとされます。ただし永住者の配偶者カテゴリーは日本人の配偶者よりも「特殊事例・再婚・多国籍」などが多いと思われ、申請処理や審査が煩雑になりやすいと思われるのが体感的に“厳しさ”を感じたりする場合がある原因ではないかと思われます。
制度誤認・本質的な違い
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制度上「永住者の配偶者だから審査が厳しい」という根拠は条文にも省令にも通達にも審査基準にもありません。審査基準は明文化されており、在留資格審査には裁量が認められているものもありますが、審査官が基準を超えてまで許可・不許可を判断することは考えにくいといえます。
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不正申請予防(偽装婚の疑い・経済困窮・交際や関係性の不自然さ等)が絡むと、説明不足や資料欠如に追加資料要求が来ることが多いため「厳しい」と感じやすくなると思われます。
Q&Aとまとめ
Q:永住者の配偶者は日本人配偶者より審査が厳しい?
A:法令・公式基準では「婚姻の真実性・同居・安定生活基盤・収入証明」がいずれも要求され、明確な“厳しさの差”はありません。ただし、永住者の場合は書類発行国・文化・再婚例・言語の多様性で補完資料や説明の難度が高まりやすい要素が日本人の配偶者の場合よりもあり、申請の手間や不安も大きくなるのが実務上の厳しさを感じる場合の理由ではないかと思われます。
Q:申請成功率・不許可率に大きな差はある?
A:公式統計で大きな差は確認されていません。いずれも「書類の不足・説明の不足」で不許可率が上がるため、事前準備・証明力を高めることが最重要です。
Q:厳しさはどこから来るの?
A:実際の厳しさは「申請者側の属性・書類難度・説明力不足」「審査官が慎重な判断をする背景(偽装・不正疑惑・複数国籍絡み・過去滞在歴等)」から来ており、制度的な差ではなく“個々の申請状況と資料内容”が左右しているのではないかと思われます。
まとめ
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“永住者の配偶者ビザの審査が厳しい”印象は、実態としては「申請資料・背景事情の複雑さ」など個別要因によるものであり、法令・公式基準・不許可率の差そのものには根拠がないと思われる。
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最新の運用や追加資料リスク・特殊事例対応は公式サイトや専門家に必ず最新の確認を。
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「正確な説明・明確な証拠資料提出・誤解情報の排除」が制度本来の審査基準であり、不安な場合は専門家の事前チェックも利用することが申請成功への近道と思われます。
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