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配偶者ビザの審査はなぜこんなに長い時間かかる?原因と対策

審査期間 配偶者(結婚)ビザ

配偶者ビザの審査期間の長期化に悩む方が増えています。もともと審査期間は申請種類や時期によって異なる部分はあったものの、基本的に申請から許可までの期間は通常1〜2ヶ月程度とされていましたが、特に2023年後半から2024年にかけて入国管理局の人手不足の影響により、在留資格認定証明書交付申請の審査期間が大幅に長期化しています。
本記事では配偶者ビザの審査期間に関する最新情報と、現在の特殊な状況を踏まえた申請をスムーズに進めるためのポイントを専門家の知見を交えて詳しく解説します。特に2024年の制度変更による影響にも触れながら、確実な申請のための情報を提供します。なお、配偶者ビザ申請の全体像についてはこちらをご覧ください。


配偶者ビザの審査期間の実態

2024年現在、入国管理局の人手不足により、特に在留資格認定証明書交付申請の審査期間が従来の1〜2ヶ月から3〜6ヶ月へと大幅に長期化しています。特に東京や大阪といった大都市圏の入管で長期化が顕著です。一方、在留資格変更許可申請や更新許可申請については、従来通り3週間〜1ヶ月半程度の審査期間が維持されています。これは変更許可申請や更新許可申請については在留期限が存在するため、優先して審査を行っているからということです。
申請種類 従来の審査期間 現在の審査期間(2024年)
在留資格認定証明書交付申請 1〜2ヶ月 3〜6ヶ月(申請地により差)
在留資格変更許可申請 3週間〜1ヶ月半 3週間〜1ヶ月半
在留期間更新許可申請 2週間〜1ヶ月 2週間〜1ヶ月

審査期間長期化の背景

2023年後半以降、国際的な人の往来再開に伴う申請件数の急増と入国管理局の人員体制が追いついていないことが主な要因となっています。特に海外からの新規入国に関わる在留資格認定証明書交付申請において、その影響が顕著に表れています。また、先述の通り期限のある変更許可申請や更新許可申請の審査を先に行う必要があることも在留資格認定証明書交付申請の審査の遅れの原因と言われています。

最新の審査処理期間事情

2024年の最新の認定証明書交付申請の審査期間はだいたい以下の通りとなっています:
申請地域 標準的な審査期間 混雑期の審査期間
東京入国管理局 3〜4ヶ月 4〜6ヶ月
地方入国管理局 4〜5ヶ月 5〜7ヶ月
大阪や名古屋などの大都市圏の入国管理局は基本的に東京と同等か、それ以上に認定証明書交付申請の時間がかかることが多い傾向のようです。どちらかと言えば京都の出張所などの方が取扱件数によるものと思われますが、審査期間はまだ短めなようです。とはいえ状況は変化しますので、認定証明書交付申請を検討している方は先に入管に確認をとることをお勧めします。

申請種類による審査期間の違い

配偶者ビザの申請には在留資格認定証明書の交付申請在留資格変更許可申請の2種類があります。一般的に在留資格認定証明書の交付申請の方が審査期間が長くなる傾向にあります。

地域による審査期間の差異

地域による審査期間の違いは、各入国管理局の申請件数や審査体制に起因します。
東京や大阪などの大都市圏では申請が集中する傾向にあり、地方と比べて審査の混雑状況に大きな差が生じています。

なぜ審査期間が長期化しているのか

審査の混雑状況

近年入国管理局での審査業務が著しく混雑しています。特に大都市圏の入国管理局では1日あたりの申請件数が増加傾向にあり、審査官一人当たりの業務負担が増大しています。
これにより、一件あたりの審査に要する時間が長くなっています。

コロナ禍以降の影響

新型コロナウイルスの感染拡大は、入国管理局の業務体制にも大きな影響を与えました。
対面での審査や書類確認の厳格化により、全体的な審査期間が長期化する傾向にあるようです。またオンライン申請システムの導入により、新たな運用体制への移行期間も影響しています。
影響要因 審査期間への影響
申請件数の増加 審査官一人一人への負担増大
コロナ対策による変更 審査がやや長期化?

申請数の増加傾向

2023年以降、国際結婚の増加に伴い配偶者ビザの申請数も増加傾向にあります。
特にアジア圏からの申請が前年比20%増となっているとされ、審査体制の整備が追いついていない状況と考えられています。またオンライン申請の導入により、システムへの対応の必要性からの処理遅延の可能性もあるようです。
オンライン申請については24時間申請が可能となったことや認定証明書の電子化とあわせて肯定的な面もかなりあるものの、現場からは「(入力などが)使いにくい」「以前より時間がかかるようになった」という声もあるようです。

審査期間に影響する要因

申請書類の完成度

審査期間を左右する最も重要な要因は申請書類の充実や完成度です。必要書類の不備や記入ミスがある場合追加資料の提出を求められ、審査期間が大幅に延長される可能性があります。特に経費支弁能力を証明する書類や婚姻関係を証明する資料については、慎重な準備が必要です。なお、配偶者ビザ申請必要書類全体についてはこちらをご覧ください。

結婚の経緯と実態

結婚の真正性は審査における最重要なポイントです。婚姻の実態を証明するための写真や資料が不十分な場合追加の資料の調査が必要となり、審査期間が延長される可能性があります。国際結婚の場合は、より丁寧な証明が重要になる事は否定できません。

経済状況と在留状況

申請者の経済状況も審査期間に影響を与える重要な要素です。日本人配偶者の年収要件安定した雇用状況の証明が不十分な場合、追加書類の提出が求められることがあります。基準となる年収は、一応税込み300万円以上と記載しているサイトなどが多いです。ただし配偶者ビザの申請における経済状況の証明は申請者の状況によって異なる部分があります。日本国内での在留歴がある場合は、課税証明書納税証明書が基本的な証明書類となりますが、これらは状況に応じて代替が可能です。
申請者の状況 必要な経済証明書類の例
日本在住の場合 課税証明書、納税証明書
海外から移住する場合 海外での納税証明、銀行残高証明
自営業・フリーランス 確定申告書、売上台帳
重要なのは、申請者の状況に応じて安定した生活基盤を証明できることです。在留資格によって求められる経済要件は異なり、配偶者ビザの場合は夫婦での総収入や貯蓄などを総合的に判断されます。不明な点がある場合は、事前に入国管理局や専門家に相談することをお勧めします。
配偶者ビザの生計の安定要件は、永住許可申請などと比べるとやや柔軟性が高いと言われています。そのため年収に不安がある場合でも、日本人配偶者の両親と同居する、別の身元保証人をたてるなどの対策で許可がおりることもあります。これは配偶者であるという人道的な面に因ると言われています。とはいえ、審査期間の短縮を目指すならば生計の安定はあるに越したことはありませんが。

審査期間を短縮するための対策

申請前の準備と確認事項

審査をスムーズに進めるためには申請前の準備が重要です。必要書類のチェックリストを作成し、すべての書類が揃っているか確認します。
また、記入内容に不備がないよう、複数回のチェックを行うことをお勧めします。
一つ一つの書類だけでなく、申請書類全体で矛盾点や相違点がないかチェックすることが望ましいです。名前の記載などもパスポートの記載で揃えるなどが望ましいでしょう。

必要書類の完全対応

申請に必要な書類は、大きく分けて以下の3種類があります:
  • 身分関係を証明する書類(婚姻証明書、戸籍謄本など)
  • 経済状況を証明する書類(課税証明書・納税証明書、在職証明書など)
  • 婚姻の実態を示す資料(写真、LINE履歴など)

経済状況の証明方法

配偶者ビザの申請における経済状況の証明は、原則として課税証明書納税証明書を基本としています。ただし、これらは日本国内での経済活動がある場合の基本書類であり、すべてのケースで必須というわけではありません。
以下のような場合は、代替となる経済証明が認められます:
申請者の状況 代替可能な証明書類
海外から夫婦で移住する場合 海外での納税証明、銀行残高証明
日本での就労開始直後の場合 雇用契約書、給与支払証明書、給与明細
資産収入で生活する場合 不動産収入証明、投資収益証明
重要なのは申請者の状況に応じて適切な経済力の証明ができることです。
入国管理局は提出された証明書類を総合的に判断し、安定した生活が可能かどうかを審査します。不明な点がある場合は、事前に入国管理局や専門家に相談することをお勧めします。

申請書類の品質向上

提出する書類はすべて最新のものを用意し、有効期限に十分注意を払う必要があります。特に収入証明書類は、直近3ヶ月以内のものが求められます。また、英語を除く外国語の書類には日本語訳の添付が必要です。
取得が必要な書類は取得に必要な期間から逆算して準備するのが望ましいです。近くの役所に行けばすぐに揃う書類などは有効期限の問題もあり後に回し、時間のかかる海外から取り寄せる書類などをまず準備するようにする…などです。質問書の内容については基本的にいつ書いても変化がないものが多いので、これも早くから取り掛かるといいでしょう。

スムーズな申請のためのポイント

よくある不備と対処法

申請時によく見られる不備には以下のようなものがあります。これらの点に特に注意を払うことで、審査期間の短縮につながります:
  • 提出書類の有効期限切れ
  • 必要な翻訳や認証の欠如
  • 記入漏れや内容の矛盾

申請書類のチェックリスト

申請前の最終チェックには以下の点に注意が必要です。書類の有効期限記入内容の正確性を確認することで、追加書類の提出要求を防ぐことができます。

専門家に相談が望ましい状況

複雑な案件や不安がある場合は行政書士などの専門家への相談をお勧めします。特に以下のような場合は、専門家のサポートが効果的です:
  • 過去の在留資格申請で不許可となった経験がある
  • 経済要件の証明が難しい
  • 不許可事例の多い特殊な事情がある婚姻関係

まとめ

配偶者ビザの審査期間は適切な準備と対応により、できる限り短縮することが可能です。特に重要なのは、書類の完全性申請前の十分な確認です。必要に応じて専門家に相談し、確実な申請を心がけることでスムーズな審査進行を期待することができます。
入管の審査体制については申請者側にできることはありませんので審査がなるべくスムーズに進行するように努めるしかありません。ポイントとなるのはやはり申請書類の完成度です。もう一つ重要なポイントを付け加えるならば、入管に聞かれそうな事情があるならばあらかじめそれについて記載を行い、フォローをしておくことです。もちろんできればそのフォローの裏付けとなる資料も用意しておきたいです。そうすることで入管からの追加資料提出通知などをできる限り防いで審査期間が長期化するのを避けるのに役立ちます。


この記事を書いた行政書士は
勝見 功一

はじめまして。京都市上京区でビザ申請手続きのお手伝いをさせていただいております申請取次行政書士の勝見です。
まだまだ若輩者ですが、持ち前のフットワークの良さを活かして迅速かつ誠実に対応させていただきます。まずはお気軽にお問い合わせ下さい。

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