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外国人が知っておくべき結婚による永住権取得のポイント

外国人が知っておくべき結婚による永住権取得のポイント 永住権・永住ビザ

日本での永住を目指す外国人にとって、結婚は永住権取得に大きな影響を与える重要な要素です。特に配偶者が日本人ないし永住者か、あるいは外国人かによって申請条件や必要な在留期間が大きく異なります。2025年1月現在、永住許可申請の審査基準は厳格化される傾向にあり、結婚による在留資格変更や永住権取得のプロセスはより慎重な準備が必要となっています。この記事では、配偶者の在留資格別に永住権取得の条件や申請方法を詳しく解説します。また、申請時の注意点や必要書類、さらには永住権維持における重要なポイントまで、実務的な観点から説明していきます。永住権申請全体の概要はこちらをご覧ください

外国人の結婚と永住権の基本

永住権は日本における最も安定した在留資格です。結婚は永住権取得の重要な要素となり、特に配偶者の国籍や在留資格によって申請条件が異なります。日本人や永住者との結婚の場合は実態を伴う婚姻生活が3年以上継続し、かつ日本での1年以上の在留期間があれば永住権申請の特例要件を満たし最短1年の在留期間で永住権申請が可能となる一方、永住者以外の外国人同士の結婚の場合は、一般永住許可申請の基準に従い、原則として10年以上の在留期間が求められます。
厳密に言えば永住者以外にも定住者の在留資格を持つ外国人の方の配偶者も通常の外国人の方よりも永住申請が可能となる期間は短くなる(5年)のですが、「定住者の配偶者」という在留資格は存在せず、「定住者の配偶者」の在留資格は定住者となりますので永住申請が可能となる期間が短いのは定住者であるからです。わかりにくいと思いますので定住者については別に詳しく説明します。

永住権取得における結婚の意味

結婚は単なる法的な身分関係の変更以上の意味を持ちます。特に日本人や永住者との結婚は、在留期間の短縮や申請要件の緩和につながる特別な配慮の対象となります。ただし入国管理局は形式的な婚姻関係だけでなく、実質的な婚姻生活が営まれているかどうかを重視します。日常生活における経済的な協力関係や、共同生活の実態などが詳しく審査されます。また、婚姻の真偽を確認するための追加資料の提出を求められることも少なくありません。

配偶者の国籍や在留資格で異なる申請条件

配偶者の国籍や在留資格によって永住権申請の基準は大きく異なります。日本人配偶者の場合、最短1年という比較的短期間での申請が可能です。これは日本人との婚姻関係が日本社会との強い結びつきを示すものとして評価されることなどが理由と考えられます。一方、日本国籍を持たなくとも永住者の配偶者の場合も同様の在留期間で申請が可能であり、永住者自身が日本社会との強い結びつきを持っているからと考えられます。永住者や定住者を除く外国人同士の婚姻の場合は一般永住許可申請の基準が適用され、より長期の在留期間と高い水準の経済的自立性が必要となります。

申請における重要な注意点 婚姻関係に基づく永住権申請では、以下の点が特に重要です。
  • 婚姻の実態を示す具体的な証拠の準備
  • 安定した収入源の証明
  • 配偶者との同居実績の証明
配偶者の区分 必要な在留期間 その他の主な条件
日本人 1年以上 安定した収入、素行要件
永住者 1年以上 安定した収入、素行要件
その他の外国人 10年以上 上記より安定した収入要件、素行要件
誤解が多いのが、期間の短縮の特典を受けるためにはビザ(在留資格)が配偶者ビザ(在留資格「日本人(永住者)の配偶者」)でないといけない、というものです。この点は日本人ないし永住者の配偶者でありさえすれば、在留資格が配偶者ビザでなく就労系のものであっても問題ありません。

永住権取得までの一般的な流れ

永住権取得までのプロセスは、準備段階から申請後の結果通知まで、通常半年から1年程度かかります。まず必要書類の収集から始め、これには戸籍関係書類や在職証明書、収入証明書などが含まれます。書類が揃ったら管轄の入国管理局に申請を行います。申請後は、必要に応じて追加資料の提出が行われ、最終的な審査結果を待つことになります。この間電話での確認が入ることもあり得ますので、申請書には繋がる電話番号を記載しておきましょう。

日本人との結婚による永住権取得

日本人との結婚は、永住権取得への最短ルートとして知られています。2025年現在の規定では、婚姻関係が3年以上継続し、かつ日本に1年以上在留していることを基本条件としています。ただし、この期間要件を満たすだけでは十分ではありません。入国管理局では、夫婦としての実質的な生活実態や、経済的な基盤、日本社会への適応度など、総合的な審査が行われます。また、2025年現在においては3年ないし5年の在留期間の許可を受けていることも必要です。

日本人配偶者の場合の特例条件

日本人配偶者に適用される特例条件は一般永住許可申請と比べてかなり緩和されています。在留期間は通常の10年から大幅に短縮され、最短1年での申請が可能となります。また収入要件についても、一般永住許可申請ほど厳格ではないと言われています。ただし、これは審査が甘いということではありません。むしろ、婚姻の実態については特に慎重な審査が行われます。
実務上の重要事項: 申請にあたっては、婚姻生活の実態を示す資料の準備が不可欠です。具体的には同居している住居の賃貸契約書(持ち家なら不動産登記事項証明書)や家屋の外観や内部の写真、日常生活での写真などが重要となります。また、配偶者からの身元保証書は当然重要な書類となります。

必要な在留期間と婚姻期間

永住許可申請における在留期間と婚姻期間の計算は、多くの申請者が混乱しやすい部分です。在留期間の1年以上という要件は、日本国内での実際の居住期間を指します。一方、婚姻期間の3年以上という要件は必ずしも日本国内での婚姻期間である必要はありません。海外で婚姻した期間も、適切な証明があれば算入することが可能です。

申請のタイミングについて 申請のベストなタイミングは、以下の条件が揃った時点です:
  • 婚姻期間が3年を超えている
  • 日本での在留期間が1年を超えている
  • 3年以上の在留期間の許可を得ている

永住者との結婚による永住権取得

永住者との結婚の場合も日本人との結婚と同様の在留期間で永住権申請が可能となります。ただ、永住者の性質上、海外での婚姻からの日本移住はあまり考えられないため、基本的には3年以上の婚姻期間の分の在留が必要となることが多いと思われます。

永住者の配偶者の場合の条件

永住者の配偶者として永住権を申請する場合も日本人配偶者の場合と同様、真正な婚姻であることの証明が特に重要となります。世帯としての収入は一般的な永住権申請の目安といわれるものよりは緩やかと言われています。ただし、この金額は居住地域や扶養家族の有無によって変動する可能性があります。また継続的な就業実績や、社会保険への加入状況などもやはり重要な審査項目となります。

必要書類と準備のポイント

申請に必要な主な書類は以下の通りです:
書類の種類 注意点
永住許可申請書 写真添付、記入漏れに注意
婚姻関係証明書 発行後3ヶ月以内のもの
収入証明書類 直近3年分の源泉徴収票等
納税証明書 直近3年分の納税証明書

申請時の重要なポイント

永住者の配偶者として申請する場合特に重要となるのが婚姻関係の証明ですが、経済的基盤の証明も重要です。安定した収入源があることを示す資料として、課税証明書・納税証明書はもちろん、給与明細や源泉徴収票なども重要な役割を果たすことがあります。また、社会保険料の納付状況や、地域社会との関わりを示す資料なども、申請を補強する材料となります。

よくあるトラブルと対処法

永住権申請過程でよく発生するトラブルとして、書類の不備や期限切れがあります。特に海外で発行される書類は発行まで時間がかかることが多く、タイミングの管理が重要です。また、婚姻関係の実態に疑義が生じた場合は、日常生活の写真や共同生活を証明する書類の追加提出を求められることがあります。

トラブル防止のためのチェックポイント:
  • 書類の有効期限の確認
  • 翻訳文の正確性の確保
  • 提出書類の複写の保管
  • 申請要件の事前確認

外国人同士の結婚と永住権

外国人同士の結婚の場合、永住権取得のハードルは比較的高くなります。永住者や定住者を除き原則として10年以上の在留期間が必要とされ、より厳格な審査基準が適用されます。ただし、高度専門職としての在留資格を持つ場合など、一定の条件下では在留期間の短縮が認められることもあります。

一般永住許可申請の基準

外国人同士の婚姻関係にある場合、一般永住許可申請の基準に従って審査が行われます。この場合、以下の要件を満たす必要があります:
  • 継続して10年以上、就労系での5年以上の日本在留
  • 配偶者ビザと比較してより安定した職業や収入源の存在
  • 日本社会への貢献度
  • 確実な納税履歴
  • 社会保険への加入状況

就労状況と収入要件

就労状況と収入の安定性は特に重要な審査項目となります。一般的な目安として、以下の条件を5年以上継続していることが求められます:

収入に関する基準:
  • 単身の場合:年収300万円以上
  • 扶養家族が多い場合:追加の収入が必要
ただし他の様々な要件に左右される部分もあるので絶対に必要とはいいきれません。とはいえ5年間で300万を下回る年があると許可はかなり難しくなることも事実ではあります。また、就労ビザからの申請の場合、世帯年収に家族滞在の家族のパートアルバイト収入についてはカウントされない可能性が高い点も厳しい点と言えます。

申請のタイミング

申請のタイミングは慎重に検討する必要があります。特に以下の点に注意が必要です:
  • 現在の在留期間が3年以上かつどのくらいの残存期間があるか
  • 必要書類の有効期限や取得にかかる期間
  • 在留歴の計算方法
  • 収入証明書類の時期

永住権申請に必要な共通要件

永住権申請には、配偶者の国籍や在留資格に関わらず、すべての申請者が満たすべき共通の要件があります。これらの要件は、申請者が日本社会の一員として安定した生活を営めることを確認するためのものです。

素行要件と納税義務

素行要件と納税義務は、永住権申請における基本的かつ重要な要件です。具体的には以下が求められます:
  • 法令遵守の実績
  • 納税義務の適切な履行
  • 社会保険料の納付
  • 犯罪歴がないこと(交通違反含む)

生計維持要件の詳細

生計維持要件は、申請者が安定した経済基盤を有していることを示すものです。以下の点が重要となります:
確認される主な項目:
  • 安定した収入源の存在
  • 預貯金などの金融資産
  • 扶養能力の証明

永住権の維持と注意点

永住権は日本における最も安定した在留資格ですが、取得後も継続的な義務と責任が伴います。2024年の法改正では、取り消し要件の追加など特に公的義務の履行と社会との関わりが重視されるようになっています。永住権保持者には日本社会の一員としての責任ある行動が期待されており、これらの義務を怠ると永住権が取り消されるリスクもあります。

再入国許可の重要性

海外渡航時の再入国許可は永住権維持において最も注意が必要な事項です。みなし再入国許可制度の導入により手続きは簡素化されましたが、滞在期間の制限には特に慎重な注意が必要です。1年を超える海外滞在を予定している場合は、必ず出国前に通常の再入国許可を取得する必要があります。この許可は最長5年間有効で、この期間内であれば何度でも出入国が可能です。
再入国に関する基本事項:
  • みなし再入国許可は1年以内の出国・再入国に有効
  • 通常の再入国許可は最長5年間有効
  • 期限を超過した場合救済措置はなく、永住権が失効する可能性が高い

離婚・死別時の影響

永住権取得後に配偶者との婚姻関係が解消された場合でも直ちに永住権が失われることはありません。ただし安定した生活基盤の維持が重要です。具体的には、継続的な就労や適切な納税、社会保険料の支払いなどが求められます。永住権の取り消し要件が追加され、故意の税金や社会保険料の滞納で永住権の取り消しが可能となったため、生活能力の確保には特に注意が必要と言えるでしょう。また、定期的な在留カードの更新や、住所変更の届出なども確実に行う必要があります。

永住権取消しのリスク

永住権の取消しリスクを避けるためには、日常的な法令遵守と行政手続きの適切な履行が不可欠です。特に重要なのは、住所変更の届出(14日以内)など入管法に関わる基本的な行政手続きを怠らないことです。また、重大な法令違反や、長期の海外滞在(再入国許可の期限超過)なども、永住権を失う原因となる可能性があります。

専門家への相談が推奨されるケース

永住権の申請や維持に関して不安がある場合は早めの専門家相談が推奨されます。2024年の法改正では特に公的義務の履行と社会との関わりが重視されており、専門家のサポートがより重要となっています。

複雑なケースの具体例

永住権申請において特に専門家への相談が推奨されるのは、以下のような複雑なケースです。長期の海外滞在を予定している場合や、経済状況に不安がある場合は、特に慎重な対応が必要となります。また、過去に在留資格関連で問題があった場合や、複雑な家族関係がある場合も、専門家のアドバイスが重要です。
専門家相談が特に推奨されるケース:
  • 税金や社会保険料の納付に遅延がある場合
  • 在留資格取消要件に関わる可能性がある場合
  • 公的義務の履行状況に不安がある場合
  • 複雑な家族関係や経済状況がある場合

専門家への相談時期

問題が深刻化する前の早期相談が重要です。特に税金や社会保険料の納付に不安がある場合や、海外での長期滞在を計画している場合は、速やかな専門家への相談が推奨されます。また、公的義務の履行に支障が生じそうな場合も、早めの相談により適切な対応策を講じることができます。 専門家は、申請者の状況を総合的に判断し、最適な申請時期や必要な準備について具体的なアドバイスを提供することができます。特に2024年の法改正以降は、永住権の維持要件が厳格化されており、専門家のサポートがより重要となっています。

この記事を書いた行政書士は
勝見 功一

はじめまして。京都市上京区でビザ申請手続きのお手伝いをさせていただいております申請取次行政書士の勝見です。
まだまだ若輩者ですが、持ち前のフットワークの良さを活かして迅速かつ誠実に対応させていただきます。まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
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