平日 9:00~17:00(土日祝対応あり)
メールは365日24時間受付 無料相談は土日祝対応
技術・人文知識・国際業務の在留資格は、外国人が日本で就労するための重要な資格の一つです。この資格は以下の3つの分野をカバーしていますが、名前が長いので「技人国(ぎじんこく)」と省略する方が多いです
さてその「技人国(ぎじんこく)」の取得には、通常、大学卒業や専門学校修了以上の学歴または10年以上の実務経験が必要です。職務内容は専門的・技術的であることが求められ、単純労働は認められません。
在留期間は最長5年で、更新可能です。この資格で働く外国人は、日本の労働法規の下で適切な待遇を受ける権利があります。家族の帯同も認められており、配偶者や子供のために「家族滞在」の在留資格(ビザ)を申請できます。
近年日本の人材不足を補うため、この在留資格の重要性が増しています。技術・人文知識・国際業務の在留資格は、日本の労働市場の多様化と国際化を支える重要な制度といえるでしょう。
技術・人文知識・国際業務の在留資格はさまざまな専門分野および職種を対象としています。2015年4月の改正法施行により、以前は分かれていた「技術・人文知識・国際業務」が統合されました。それ以降は分野横断的な職種も増えつつありますので、対象となる職種についてそれぞれの分野と横断的な例を詳細に説明します。
技術分野に該当する職種は専門的な技術知識や技能を必要とする職業です。主な例として以下が挙げられます。
人文知識分野に該当する職種は、法学、経済学、社会学などの文系分野の知識を活かす職業です。主な例として以下が挙げられます。
国際業務分野に該当する職種は、国際的な企業取引や多言語対応が求められる職業です。主な例として以下が挙げられます。
以下は、これらの分野を横断する職種の例です。
① 申請人が人文知識を必要とする業務に従事しようとする場合は、従事しようとする業務について、これに必要な知識に係る科目を専攻して大学を卒業し若しくはこれと同等以上の教育を受け又は従事しようとする業務について10年以上の実務経験により、当該知識を修得していること。
② 申請人が国際業務に従事しようとする場合は、次のいずれにも該当していること。
翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事すること。
従事しようとする業務に関連する業務について3年以上の実務経験を有すること。ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合は、この限りでない。
③ 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等以上の報酬を受けること
ここで注意すべきは②の2番目の条件の部分です。
『大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合は、この限りでない』とあります。
これはつまり翻訳、通訳や語学教師などであれば、国際業務でも実務経験は不要で大学での専攻も特に問わない(国際関係学部などを出ている必要性はなし)、ということです。
ただし対象は大卒以上の場合のみで、専門学校卒の場合は適用外であることに注意が必要です。
国際業務に関してはもう一つ、技術・人文知識とは異なり、実務経験が3年で良いところもポイントです。
上陸許可基準において専攻と従事する業務の関連性は技術人文知識国際業務ビザの申請において極めて重要な要素とされています「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について。ただ先のpdfにもあるように近年はこの要件については緩和傾向にあります。まず大学卒や大学院卒について関連性についての緩和がなされ、2024年2月には以下のように一部の専門学校についても緩和されます(専門学校全体に該当するのではないことに注意)
「専修学校の専門課程における外国人留学生キャリア形成促進プログラムの認定に関する規程(令和5年文部科学省告示第53号)」第2条に定める文部科学大臣による認定を受けた専修学校の専門課程の学科を修了した者(以下「認定専修学校専門課程修了者」という。)については、企業等と連携して実習等の授業を行っていることや、日本社会に関する理解を促進する環境が整備されていることなどを認定要件とする専門課程を修了し、質の高い教育を受けたことにより、修得した知識を応用できると考えられることから、専攻科目と従事しようとする業務の関連性について、柔軟に判断することとしています。
ただしあくまでも緩和であり、専攻と従事する業務の関連性そのものは必要で全くの無関係と判断されれば不許可となるでしょう。
技術・人文知識・国際業務ビザの取得には、「職務内容の専門性」が必要です。これはどういうことかと言うと、簡単に言えば「その仕事には特別なスキルや知識が必要です」ということを意味します。逆に言えば誰にでもできるような単純労働ではビザの許可は下りないということです。
日本の法律では、外国人労働者に対してその資格に応じた仕事をするよう求めており、単純労働はその対象外とされています。このため、ビザを取得する際には、具体的な職務内容がしっかりとした専門的な業務になるよう注意する必要があります。
一番よく上げられる例が、語学力を生かしてホテルのフロントとして勤務する、としておきながら実際はベルボーイであったり配膳や清掃業務、あるいはベッドメイク出会ったパターンです。こういう場合は不許可になります。
給与水準の要件に関しては、技術人文知識国際業務ビザの申請において非常に重要なポイントです。技術・人文知識・国際業務ビザの要件である「日本人と同等以上の報酬を得ること」について、なぜこのようなこの要件があるかと言えば、外国人労働者が日本人労働者と比較して不当に低い賃金で雇用されることを防ぐためという外国人労働者を保護するためのものですが、審査の実質から見ると、高度な専門性を持つ外国人材の適切な処遇を確保する、つまり本当に専門性を持つ優秀な外国人を雇うというなら給料もそれなりに出すはずだろう、と言う意味もあります。
では「日本人と同等以上の報酬」というのは具体的にどの程度なのかと言うと、外国人労働者の報酬が同様の職務に従事する日本人労働者の報酬と同等以上であることが求められます。比較対象となるのは同じ会社内で、同等の職務、経験、能力を持つ日本人従業員です。同様の職種の日本人従業員がいない場合は、業界の一般的な水準と比較されます。
ビザ申請時には、だいたい雇用契約書の給与の金額から判断されることが多いです。基本給だけでなく、各種手当(住宅手当、通勤手当など)も含めた総報酬で判断されます。給与水準の要件に関する具体的な情報を正確に把握し、条件を満たすための対策を講じることが、申請の成功には欠かせないといえます。
専門性を持ち、専攻と業務内容の関連性が見られても入国管理局から違う角度で疑問を呈されるパターンもあります。例えば最近はインバウンドの好調さもあり、飲食店等で通訳のために技術・人文知識・国際業務ビザを取得したいという需要がかなりありますが、申請者の言語が本当に必要なのか?というものなどです。
例えば英語や中国語の通訳であればかなり観光客の需要も多いため、入管としてもその必要性に疑問を持つことは少ないですが、日本に来る観光客としてはごく少数の国の言語などは入管から本当にその言語の通訳が必要なのかという疑問を持たれることは珍しくありません。
雇用の必要性とは異なりますが、企業の経営状態にも要件的なものは存在します。
1. 安定した経営基盤
日本で外国人労働者を雇用する企業は、安定した経営基盤を有していることが求められます。ここにおいてカテゴリー2までの比較的規模の大きい企業を除き、基本的には決算書や会社の紹介パンフレットなどの会社の資料を求められることになります。新会社や業績の良くない会社の場合、さらなる資料や説明が必要になる事もあります。この辺りは申請書類の解説で詳しく説明します。
2. 法令および規則の遵守
雇用する企業は、当然ながら日本の法令および規則を遵守していることが求められます。労働環境や労働条件についての適切な取り組みが重要となります。また、外国人労働者が円滑に業務に取り組めるよう配慮していることをアピールすることも外国人労働者のビザ取得手続きが円滑に進むことにつながる可能性もあります。
※具体的な状況や申請者の背景によって、追加の書類が求められる場合があります。また、入国管理局の判断により、上記以外の資料の提出を求められることもあります。一方でカテゴリーが2以上の企業の場合、必要となる書類が大幅に減少します。
卒業証明書などの学歴を証明する資料
最終学歴の卒業証明書などを提出します。例えば母国の大学を出た後、日本の日本語学校などに通っていた場合も提出するのは母国の大学の卒業証明書です。海外の大学の場合当然外国語になりますので翻訳文を添付することになります。
技術・人文知識・国際業務ビザ取得の基準のところを見ていただくとわかるようにこのビザには学歴要件があります。日本の学校であれば、大学でなくても短期大学もしくは専門学校卒業でも申請可能となりますが、海外の学歴であれば、大学卒業相当以上となります。海外の専門学校を卒業していても、学歴要件を満たすことにならないことに注意が必要です。
これは海外の専門学校は日本とは学制が違うため、どの程度のレベルのカリキュラムかわからないからのようです。
また、学歴ではなく職歴で技術・人文知識・国際業務ビザの申請を行う場合は卒業証明書ではなく過去の勤務先からの在職証明書とその翻訳文を集めることになります。一応学歴と職歴を合わせての申請も可能ですが、技能ビザと違ってそれほど例はないようです。
雇用契約書または雇用条件通知書など
申請者に交付される労働条件を明示する文書となります。形式については厚生労働省のホームページなど様々なところで無料でダウンロードできるものの使用で構いませんし、英語などの用意があるところもあります。賃金を始め極めて重要な内容が記載されていますので慎重に作成してください。
会社のパンフレットなど事業内容を明らかにする資料
会社パンフレットがあればそれを提出することが多いです。会社名、事業内容、主要取引先、営業実績、資本金、創立年、沿革などの記載があればいいですのでそのあたりが記載されている自社ホームページがあればそれを印刷すればいいでしょう。ただし印刷しなければなりません。「詳しくはホームページを見て」とばかりにホームページのアドレスだけ記載している方をかなり見かけますが、入国管理局の審査官はわざわざホームページを見てはくれませんので結局印刷したものを用意しなければならなくなります。
雇用理由書
申請者がなぜ自社にとって必要であるかを説明した書類です。
説明の経緯で申請者の詳細な職務内容についても説明することが多いので別途職務内容についての説明書をわざわざ作成せずに理由書にまとめて記載する場合も多いです。
その場合は職務の専門性など申請者である必要性と過去の学歴や職歴との関連性を丁寧に説明する必要があります。
給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表
ある意味一番重要な書類です。これによって会社がどの申請カテゴリーになるかが決まり、どれだけの書類が必要かが決まります。カテゴリー2までの比較的規模の大きい会社の場合、この書類と申請書と卒業証明書などの学歴を証明する資料と写真くらいでだいたいの場合足りることになります。
紙で申告している場合は税務署の受付印のあるものが必要で、電子申告の場合は受付印の代わりにいわゆるメール詳細も印刷して添付します。
技術人文知識国際業務ビザを申請する際にはいくつかの重要な注意点があります。まず第一に、学歴(職歴)要件は満たしているか学歴と就く職務がマッチしているともでは言えなくとも関連性はあると言えるものなのか、雇用契約書や職務内容の明確な記載ができているか。これらの書類は特に重要であり、詳細かつ正確な情報が含まれていることが求められます。また、書類の翻訳が必要となる場合もありますので、それについても留意する必要があります。また、申請書類には有効期限があることを正確に把握することも重要です。申請に際して必要とされる書類や条件は定期的に変更される可能性があるため、最新の情報を入手し、適切な手続きを行うことが肝要となります。
副業やアルバイトの資格外活動許可について技術人文知識国際業務ビザで就労している外国人の方が日本で副業やアルバイトを行う際には、資格外活動許可が必要となります。この許可を得るためには所定の手続きを正しく行う必要があります。ただし、「業として行うものではない講演に対する謝金、日常生活に伴う臨時の報酬その他の法務省令で定めるもの」は除かれますので適切に対処できるようにしておきましょう。
行政書士かつみ法務事務所では各種就労ビザ申請のサポートを行っています。
当事務所のビザ申請サポートではビザ申請のサポートはもちろん、許可後の様々な疑問(子供・親族などの呼び寄せ、企業間の異動など)にも対応しています。
また、ビザ申請サポートは書類作成・収集に申請取次も行うフルサポートコース、書類作成のみのコースをご用意しております。
平日役所に行くのは難しい、あるいは全て専門家に依頼したいという方はフルサポートコースを、ある程度自分で準備して、必要なところだけサポートしてほしいという方は書類作成コースをご利用ください。
また、土日祝・出張対応も可能な初回無料相談も行っておりますので是非ご利用ください。無料相談の詳細は、こちらをご覧ください
また、ビザ申請サポートの報酬額についてはこちらをご覧ください。