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経営管理ビザを申請する大まかな流れとしては、まず500万円以上を出資して会社を作り、会社名義での事業所を確保、税務署などへの届出などをしたうえで入国管理局へ申請を行う…というものが大半を占めています。
つまりたいていは株式ないし合同会社を設立して申請を行っています。
このことから
会社の設立が経営管理ビザを申請するためには必要という誤解をしている方が多いようです。
しかし経営管理ビザで必要とされている要件は
本邦に居住する二人以上の常勤の職員を置くか、資本金の額又は出資の総額が五百万円以上あることであり、法人であることは別に要件ではありません。
ならばなぜわざわざ会社を設立して経営管理ビザを申請するのか。個人事業主であれば税務署に届出をするだけで簡単に開業できます(許認可が必要な場合についてはここでは触れません)。
費用と手間をかけて法人を立ち上げるのは事業の信用のためという意味合いもありますが、個人事業主では500万円以上の出資の証明が難しいというのがその主な理由です(※)
※二人以上の常勤の職員を置くことでも要件を満たすことはできますが、新規事業でいきなり二人雇うというのはハードルが高すぎて実務上ほとんど見られません
法人を設立する場合金融機関の口座に500万を払込、会社設立登記をすれば会社の登記事項証明書に500万の出資が記載されるため、出資金の証明が容易にできます。しかし
個人事業主が特定の銀行口座に500万があることを残高証明などで証明したとしても、500万の出資とは認められません。
個人事業主が500万円以上の出資を認めてもらうには実際に出資を行うこと、つまり500万以上を事業のために使う必要があるのです。
具体的には事業所や店舗などの保証金、賃料、仲介手数料、改装などの工事費など、事業のための出費と認めてもらいやすいものでないと入管に出資と認めて貰うことは難しいといえます。事業用か私用か区別が難しいものは入管に認めてもらうことは難しくなります。
このように事業資金500万についてとりあえず銀行に払い込みを行っておけば後から必要に応じて使える法人の場合と比較して、使い切らないといけない個人事業主はかなり不利といえます。初期投資が大きくなる飲食業や宿泊業などの場合は証明が容易なのでそれほどマイナスとはいえないかもしれませんが、初期投資のあまりかからないジャンルの場合はかなり厳しいと言えるでしょう。
個人事業主で経営管理ビザを申請する場合、税務署に対して個人事業主であることを届出る
個人事業の開業届出・廃業届出等手続
を行う必要がありますが、この手続きには日本における住所地が必要になります。
つまり
すでに留学や他の就労ビザなどにより中長期在留者になっていて日本に住所がある人が、在留資格変更を行う場合以外個人事業主で経営管理ビザを申請することはできないのです。
海外在住の方が個人事業主として在留資格認定証明書交付申請で経営管理ビザを取得することはできないのです。
結論としては、在留資格変更申請においては個人事業主でも経営管理ビザの取得は可能ではあるものの、飲食業や宿泊業のような初期投資額が大きく、またそのかかった経費の証明が容易な場合を除き、法人を設立する場合に比べて不利な要素が大きい。
個人事業主で経営管理ビザを取得する場合は税務署への届け出書類をきちんと行い、かかった費用の証明ができるように書類を整えておくことが重要、といったところです。
2024年に経営管理ビザの要件緩和が予定されており、事業資金500万及び事業所要件が緩和されると言われています。これにより個人事業主での経営管理ビザ取得もやりやすくなる可能性もあるかもしれません。
行政書士かつみ法務事務所では経営管理ビザ申請と会社設立のサポートを行っています。
当事務所のビザ申請サポートではビザ申請のサポートはもちろん、会社設立と会社運営に必要な許認可の取得、許可後の様々な疑問にも対応しています。
また、ビザ申請サポートは書類作成・収集に申請取次も行うフルサポートコース、書類作成のみのコースをご用意しております。
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