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日本で就労するのに最も一般的な就労ビザ(在留資格)が「技術・人文知識・国際業務」といえます。
技術人文知識国際業務が認められる要件として重要なのは、(これまでの職歴になる場合もありますが)基本的には申請者が今まで学校で学んできた内容と就職先で従事する予定の業務内容の関連性です。
この関連性の有無の判断基準によって技術人文知識国際業務ビザ(在留資格)が取得できるかが大きく左右されてきました。
この関連性の有無の判断について、しばらく前はかなり厳格に判断されていましたが、大学・大学院を卒業している場合について徐々に緩和され、令和6年2月末をもって専門学校を卒業者についても関連性の有無の判断について従来よりも要件緩和が行われました(出入国在留管理庁外国人留学生の就職促進に向けた運用等の見直しについて)。
背景にあるのは人材不足です。従来から関連性の有無の判断が厳しすぎてせっかく日本に留学している学生が関連性の有無の判断に阻まれて帰国せざるを得ない状況にあることが多いことが指摘されていました。
注意が必要なのは今のところ専門学校卒業生のすべてに要件緩和が適用されるわけではなく、文科省から所定の認定を受けた専門学校の卒業生について要件緩和が行われることです。
これまでの専門学校卒業者に必要とされた関連性の要件は法務省によると
① 声優学科を卒業した者が、外国人客が多く訪れる本邦のホテルとの契約に基づき、ロビースタッフとして翻訳・通訳業務に従事するとして申請があったが、専攻した科目との関連性が認められず不許可となったもの。
② イラストレーション学科を卒業した者から、人材派遣及び有料職業紹介を業務内容とする企業との契約に基づき、外国人客が多く訪れる店舗において、翻訳・通訳を伴う衣類の販売業務に従事するとして申請があったが、その業務内容は母国語を生かした接客業務であり、色彩、デザイン、イラスト画法等の専攻内容と職務内容との間に関連性があるとは認められず、また翻訳・通訳に係る実務経験もないため不許可となったもの。
③ ジュエリーデザイン科を卒業した者が、本邦のコンピュータ関連サービスを業務内容とする企業との契約に基づき、外国人客からの相談対応、通訳や翻訳に関する業務に従事するとして申請があったが、専攻した科目との関連性が認められず不許可となったもの。
④ 国際ビジネス学科において、英語科目を中心に、パソコン演習、簿記、通関業務、貿易実務、国際物流、経営基礎等を履修した者が、不動産業(アパート賃貸等)を営む企業において、営業部に配属され、販売営業業務に従事するとして申請があったが、専攻した中心科目は英語であり、不動産及び販売営業の知識に係る履修はごくわずかであり、専攻した科目との関連性が認められず不許可となったもの。
⑤ 国際ビジネス学科において、経営戦略、貿易実務、政治経済、国際関係論等を履修した者が、同国人アルバイトが多数勤務する運送会社において、同国人アルバイト指導のための翻訳・通訳業務及び労務管理を行うとして申請があったが、教育及び翻訳・通訳業務と専攻した科目との関連性が認められず不許可となったもの。
など、比較的強めに専攻内容と業務に関連性を求めるものと言えました。
現状まだ緩和が始まったばかりで一応は大学卒の場合を参考にはできるものの、どの程度緩和されていくのかは実務の蓄積を待たないとはっきりとは言えないところですので、関連性に不安がある場合は入管と協議しつつ申請を進めていくことになりそうです。
なお、特定活動46号というビザ(在留資格)にも今回の緩和は及んでおり、それについては別の機会に説明したいと思います。
人文知識・国際業務ビザ取得には、以下の立証資料が必要です。ただし、これらの書類は最小限の必要書類です。以下の書類を提出しても就労ビザが不許可になる可能性もあります。
ア 商業・法人登記簿謄本(発行後3か月以内のもの)
イ 直近の損益計算書の写し(新規事業の場合は今後1年間の事業計画書)
ウ 案内書
※公刊物等で招へい機関の概要が明らかになる場合は必要ありません
ア 卒業証明書又は卒業証明書の写し
イ 申請人の履歴書
ウ 次のいずれかのもの
ア 招へい機関との雇用契約書の写し
イ 招へい機関からの辞令の写し
ウ 招へい機関からの採用通知書の写し
エ アないしウに準ずる文書
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