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定住者と永住者の違いとは

定住者と永住者の違いについて解説します。定住者と永住者はどちらも日本に長期間滞在するための在留資格ですが、いくつかの重要な違いがあります。定住者は在留期間がありますが、永住者は在留期間に制限がありません。その他にも両者には違いがあり、その違いを理解し、自身に適切な在留資格について考えることが重要です。帰化、永住権申請の手続きに関するご相談はこちらまで

定住者と永住者の基本定義

定住者は日本に長期間滞在するための在留資格の一つであり、法務大臣が特別な理由を考慮して一定の在留期間を指定して居住を認める者です。定住者の在留資格は、入管法第七条第一項第二号に基づき、同法別表第二の定住者の項の下欄に掲げる地位を定める件により規定されています。

一方、永住者とは、永住権を取得して日本に永住する権利を得た外国人のことを指します。永住者は在留期間の制限を受けず、永住する権利を持っています。通常10年以上に渡り日本に合法的に居住し続け、一定の要件を満たした場合に永住権を取得することができます。

このように、定住者と永住者にはそれぞれ異なる部分も共通する部分もあります。外国人の方々が安心して日本で生活するためには、自らの在留資格や権利について正確に理解することが重要です。

定住者とは

定住者とは、日本に長期間居住するための在留資格を持つ外国人のことです。定住者の在留資格は法務大臣が特別な理由を考慮して与えるものであり、一般的な技術人文国際知識業務ビザや留学ビザといった在留資格とは異なり、ややイレギュラーな在留資格と言えるでしょう。

他の在留資格と違い、法務省の告示(定住告示)があるものとないものが存在し、どういう場合・条件で取得できるのか、かなりわかりにくい在留資格であるといえます。法務省の告示(定住告示)があるものについては在留資格認定証明書の交付申請ができる、つまり最初から『定住者』として入国することができますが、定住告示がないものについては『従来の在留資格から変更して』取得することになります。

法務省の告示(定住告示)があるものとしては日系人や定住者の配偶者、日本人の子として出生した者の実子(日系三世)や難民の方など、ないもの(告示外定住)としては日本人や永住者と離婚もしくは死別した外国人が挙げられます。

永住者とは

永住者は日本に永住する権利を得た外国人を指します。永住権を取得するためには、通常、長期間(10年以上)に渡り日本に合法的に居住し続け、特定の要件を満たす必要があります。永住者になるためには一定期間安定した生計を維持していることや交通違反などがなく、税金の滞納などもない素行の善良さなども求められ、かなり他の在留資格よりもハードルは高いといえます。しかし永住者は定住者も含め他の在留資格には存在する在留期限の制限を受けず、永住する権利を持っています。また永住者となることで、就労の無制限など様々な日本社会で生活していく上での恩恵もあります。

定住者と永住者の違い

定住者と永住者の違いについて、いずれも日本に長期間滞在し、生活の基盤を置く外国人に対して認められる在留資格です。しかしその性質や取得要件に違いがあります。

一方でどちらも基本的には日本での就労に制限がない事には違いはありません(厳密に言えば定住者は在留目的に沿った活動が求められますが)し、共通項もたくさんあります。

最も大きな違いは定住者は在留期間に制約がありますが、永住者は制約なく日本に永住できる点でしょう。

在留資格取得要件の違い

在留資格取得要件にはかなり違いがあります。

永住権については先述のように長期間(10年以上)に渡り日本に合法的に居住し続けること、一定期間安定した生計を維持していることや交通違反などがなく、税金の滞納などもない素行の善良さなどが要件となりますが、そもそも定住者については法務省の告示(定住告示)があるもの、ないもの(告示外定住)とかなりの数の類型があり、それぞれに要件が異なりますので定住者の中でもかなり要件の種類があるのです。

就労制限に違いはある?

就労制限の違いについては先述の通りどちらも特に制限はないとされています。

一応定住者については在留目的に沿った活動が求められる、となっていますが、特に制限が定められているとは考えられていないようです。(あまりにも在留目的から逸脱しているような就労をしている場合は更新時に問題となる可能性はあるかもしれませんが)

永住権も定住者も在留資格の中では就労制限のなさが魅力でありますが、定住者の場合、更新の存在があることや将来の永住権申請も含めて職業を選ぶことも重要になります

在留期間の違い

永住者はその名の通り永住の在留資格を失うこと(みなし再入国の期限超過や取り消しなどによる)がなければ更新などを要せず、日本に永住することができる在留資格です。

一方定住者の在留期間は5年、3年、1年、6月又は法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲)などの期間が設定されており、期限が切れる前に更新手続きを行う必要があります。

社会的な違い

これは直接永住者と定住者の違い、とは言えないかもしれませんが、やはり日本で社会生活を送る上では社会的な信用度で永住権を持っている方が高くなり、住宅ローンや銀行との取引などではその違いがみられるようです。

定住者の在留資格更新

定住者は毎回在留資格を更新する必要があります。在留期間満了前に更新手続きを行うことが大切です。先述の通り定住者の在留資格には様々なカテゴリーが含まれており、更新時にはそれぞれの内容に沿った手続きの必要がありますが、在留目的に沿った活動をしていると言えるかが審査されると思っておくとよいでしょう。更新には必要書類がありますが、定住の中でもどの書類が必要になるかは異なりますので、更新時期を逃さないように準備しておくことが重要です。詳細は法務省のホームページや専門家に相談することをお勧めします。

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永住権の取得方法

永住資格を取得するためには、いくつかの重要な条件を満たす必要があります。まず、永住資格に申請するには長期間(10年以上)に渡り日本に合法的に居住し続けること、一定期間安定した生計を維持していることや交通違反などがなく、税金の滞納などもない素行の善良さなどが要件となります。

したがって、永住資格を取得するには、まずは在留資格ごとに必要な在留期間を確保することが必要ですが、定住者のポイントはこの永住を申請するための日本在留期間が配偶者ビザにはかなわないものの就労系の在留資格と比べて大幅に短いことが挙げられます。就労活動に制限がなかったり、配偶者も定住者の場合は配偶者の労働についても制限がないため永住の収入要件を満たしやすくなるのも有利なポイントと言えます。

定住者から永住者への移行方法

定住者から永住者への移行は通常の永住許可申請です。従ってまず通常の永住許可申請に必要とされる長期間(10年以上)に渡り日本に合法的に居住し続けること、一定期間安定した生計を維持していることや交通違反などがなく、税金の滞納などもない素行の善良さなどの要件を満たす必要があります。しかし定住者からの永住許可申請については特例の対象となり、通常10年の日本滞在期間について「定住者」の在留資格で5年以上継続して本邦に在留していることで永住の申請が可能になります

つまり「定住者」の在留資格で5年以上継続して日本に在留し、その時に3年以上の在留期間の定められた定住の在留資格を所持していて、その他の収入要件や素行要件をクリアしていれば永住許可申請は可能になるということです。もちろん定住者から永住者への永住許可申請には膨大な量の書類や資料が必要ですので手続きや必要な書類について詳しく知ることが重要です。永住者への移行方法について十分に理解し、適切な手続きを行うことが重要です。永住権取得には時間がかかる場合もあるため、早めの準備が求められます。

まとめ

定住者と永住者の違いについて理解することは、日本での将来を見据えた生活や労働において重要です。定住者は就労に制限のない在留資格を持ち一定期間日本に滞在することができ、将来の永住申請においても比較的有利な立場にあるといえます。このように有利な定住者ですが、やはり永住と比較するとある程度の差は否定できません。自身の状況や将来を見据えた在留資格についての計画をたてることが重要です。

この記事の書き手は申請取次行政書士勝見功一
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