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経営管理ビザの役員報酬完全ガイド|適正額の目安・生活基盤・事業継続性を専門家が徹底解説

経営管理ビザの申請や更新を考える外国人起業家の多くが「役員報酬の額」について悩んでいます。実は、役員報酬は経営管理ビザ審査で必ずチェックされる重要ポイントです。

審査官が見るのは、「会社を経営できるか」だけではありません。「あなたが日本で安定した生活を送れるか」「事業が継続できるか」が厳しく問われます。役員報酬が低すぎると、「生活できない」「事業の継続性に疑問」と判断され、ビザ不許可や更新拒否につながるリスクも。

この記事では、経営管理ビザの申請を検討している外国人の皆さんが、役員報酬の「適正額」や設定方法、生活設計のポイントまで、専門家の視点で分かりやすく解説します。

  • 役員報酬の目安はどれくらい?

  • 生活費や家族帯同の場合の注意点は?

  • 低額や無報酬だとどんなリスクがあるの?

  • ビザ審査で失敗しないための実務ポイントは?

このガイドを読めば、安心して役員報酬を設定し、日本でのビジネスと生活を両立させるための知識が身につきます。

経営管理ビザ審査で問われる「役員報酬」とは

役員報酬とは、会社から経営者(代表取締役や業務執行社員など)に支払われる給与のことです。経営管理ビザの審査では、「あなたが日本で安定した生活を送れるか」が必ずチェックされます。

  • 生活費、家賃、社会保険料、税金などをカバーできる水準か

  • 会社の資金力や事業計画と整合性があるか

  • 家族帯同の場合は全員が生活できるか

審査官は、単に会社が設立されているかだけでなく、「経営者自身がきちんと生活できる収入を得ているか」を重視します。

適正な役員報酬の目安と審査基準

一般的な目安:月額18~20万円以上(年収220~240万円以上)

  • 都市部や家族帯同の場合はさらに高額が必要なことも

  • 生活費(家賃・食費・光熱費・通信費)、社会保険料、税金をカバーできる水準

  • ビザ更新時も「生活できているか」が厳しく審査される

家族帯同の場合の目安

  • 夫婦2人:月額22~25万円以上が推奨

  • 夫婦+子1人:月額25万円以上が推奨

  • 子どもの学費や医療費も考慮すること

審査で重視されるポイント

  • 会社の業績や資金繰りに無理のない範囲での報酬設定

  • 生活費を下回る役員報酬は「事業の継続性・安定性」に疑義

  • 低額や無報酬は「見せ金」や「ペーパーカンパニー」扱いのリスク

役員報酬が低すぎる・無報酬のリスク

  • 生活費を下回る役員報酬で申請→不許可の典型例

  • 会社の資金繰り悪化で役員報酬を一時停止→更新時に不許可

  • 家族帯同で報酬が低すぎる→生活困窮を疑われる

  • 「生活できない=事業の継続性に疑問」と判断される

  • 低額・無報酬は「ビザ目的のペーパーカンパニー」と見なされやすいことも

対策:

  • 資金計画・生活設計を事前にしっかり立てること

  • 会社の収支計画と連動した現実的な報酬設定

  • 必要に応じて専門家に相談

役員報酬設定の実務ポイント

1. 会社設立時の定款・株主総会議事録で報酬額を明記

  • 設立時に役員報酬の額を定款や議事録で決定(定款変更は面倒なので、株主総会議事録がおすすめ)

  • 変更時は株主総会や社員総会の議事録が必要

2. 社会保険・所得税の手続きも必須

  • 役員報酬を支払う場合、社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が原則

  • 源泉所得税の納付も必要

3. 税務署への「給与支払事務所等の開設届出書」提出

  • 経営管理ビザ申請では実務上必須の書類

  • 役員報酬のみでも必ず提出

4. 銀行口座からの定期的な振込記録を残す

  • 毎月同じ日に同額を振り込むのが原則

  • 現金払い・不定期払いは避ける方が無難

5. 役員報酬は「毎月同額」が原則(税務上の取り扱い)

  • 期中での増減は原則不可(定期同額給与)

  • 変更時は新しい事業年度の開始時などルールに従う

家族帯同・生活基盤の審査ポイント

  • 配偶者・子ども帯同の場合は「全員の生活費」をカバーできる報酬が必要

  • 生活費の根拠資料(家賃契約書、生活費見積もり等)を準備

  • 子どもの学費や医療費も考慮した報酬設定が望ましい

  • 家族帯同ビザの申請時は生活設計の説明資料も添付するのが安心

よくある失敗例と対策

  • 失敗例1:生活費を下回る役員報酬で申請→不許可

  • 失敗例2:会社の資金繰り悪化で役員報酬を一時停止→更新時に不許可

  • 失敗例3:家族帯同で報酬が低すぎる→生活困窮を疑われる

  • 失敗例4:現金払い・不定期払い→「安定性」に疑義

対策:

  • 会社設立時から現実的な資金計画と生活設計を立てる

  • 役員報酬は「毎月同額・銀行振込」で支払う

  • 家族帯同の場合は全員の生活費を十分にカバーする報酬額を設定

  • 専門家(申請取次行政書士・税理士)に相談し、申請前に報酬額・生活設計をしっかり準備

まとめ:適正な役員報酬で経営管理ビザと生活の両立を

役員報酬の設定は経営管理ビザの審査だけでなく、これからの日本での生活や事業の安定にも大きく関わる大切なポイントです。 「どれくらいが適正なのか」「家族と一緒に安心して暮らせるだろうか」と不安になることもあるかもしれませんが、 大切なのは“無理のない範囲で、きちんと生活を支えられる金額”を意識することです。

もし迷ったときは、専門家に相談しながら、ご自身やご家族の将来設計を一緒に考えてみてください。 しっかり準備をしておけば、ビザ申請も日本での毎日も、きっと安心してスタートできるはずです。 あなたの日本でのチャレンジと、豊かな暮らしを心から応援しています。

よもやま話:日本の「生活水準」と役員報酬のリアル

実は、日本で「生活できるかどうか」を判断する基準は審査官だけでなく、実際に暮らし始めてから「思ったよりお金がかかる!」と感じる外国人起業家が多いポイントでもあります。

例えば、東京や大阪などの都市部では、ワンルームマンションの家賃だけで月8~12万円かかることも珍しくありません。 さらに、社会保険料や税金、光熱費、通信費、食費…と積み重ねていくと、 「最低でも月18~20万円はないと、正直ちょっと心細い」という声がよく聞かれます。

また、家族を呼び寄せる場合は、子どもの学費や医療費、家族全員の生活費も必要です。 「家族で日本に来て、最初は節約生活だったけど、だんだん子どもの習い事や外食も増えて、やっぱり余裕を持った報酬にしておいて良かった」という話もあります(どの国から来るのにもよりますが)

役員報酬は「会社の経費」としても認められるので、無理のない範囲で、将来の自分や家族のためにも、少し余裕を持った金額設定をおすすめします。

「生活できるかどうか」は、ビザ審査だけでなく、あなたの毎日の安心にもつながる大切なポイントになります。

この記事の書き手は申請取次行政書士勝見功一

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