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留学生から技術・人文知識・国際業務への切り替え方|手順を詳しく解説

留学生が日本で就職する場合、在留資格を「留学」から「技術・人文知識・国際業務」(通称:技人国ビザ)などの就労系のビザへ切り替える必要があります。この手続きでは、学歴や職務内容の関連性、雇用条件などが厳しく審査されます。本記事では、留学生がスムーズに在留資格を変更するための手順や必要書類、注意点について詳しく解説します。

技人国ビザへの切り替えは、留学生にとって重要なステップです。この在留資格変更により、専門的な知識やスキルを活かした就労が可能となり、日本でのキャリアアップの機会が広がります。また、技人国ビザは日本での長期滞在を可能にし、将来的な永住権取得への道も開かれます。

在留資格変更の手続きには、必要書類の準備から申請、審査、結果通知まで複数のステップがあります。本記事では、これらの手順を詳細に解説し、留学生の皆さんが円滑に技人国ビザを取得できるようサポートします。

留学生から技人国ビザへの切り替えの概要

留学ビザから技人国ビザへの切り替えは、日本で就職するための代表的な手続きです。技術・人文知識・国際業務(通称:技人国ビザ)は、専門知識やスキルを活かして働くための在留資格であり、ITエンジニアや翻訳者、貿易事務など幅広い職種での就労が可能であす。一般的に就労ビザと言えば、この技人国ビザを指すことが多いでしょう。

技人国ビザへの切り替えは、留学生のキャリア形成において重要なステップです。このビザを取得することで専門性を活かした職業に就き、日本での長期的な滞在が可能となります。また、将来的には永住権取得への道も開けるため、日本でのキャリアを築く上で大きな意義があります。

在留資格変更の必要性

卒業後も「留学」の在留資格では就労が認められないため、日本に在留し続けて就労するためには必ず「技術・人文知識・国際業務」などの就労可能な在留資格(ビザ)へ変更する必要があります。この在留資格変更は留学生が日本での就職を目指す上で避けては通れない重要なステップです。

変更手続きを行わない場合、不法滞在となるリスクがあります。これは単に法的問題だけでなく、将来的なキャリアや日本社会での信用にも大きな影響を及ぼす可能性があります。また、在留資格を適切に変更することで、日本での就労機会が広がり、専門性を活かしたキャリア形成が可能となります。

技人国ビザ取得のメリット

技人国ビザを取得することで、留学生が日本でのキャリア形成や生活基盤を築く上で多くの利点があります。以下に主なメリットを挙げます。

① 専門分野でのキャリアアップが可能

技人国ビザは、専門的な知識やスキルを活かせる職種に従事するための在留資格です。例えば、ITエンジニア、マーケティング担当者、翻訳者など、高度な専門性が求められる職場環境で働くことができます。これにより、業界内でのキャリアアップが期待できます。

② 在留期間の柔軟性と更新の容易さ

技人国ビザでは、1年、3年、5年などの在留期間が認められており、条件を満たせば更新も比較的スムーズです。特に雇用契約が継続し、税金や社会保険を適切に支払っている場合は更新手続きが問題になる場合は少ないでしょう。ただし、雇用サイドの業績が悪化(赤字決算が連続している、債務超過など)している場合には注意は必要です。

③ 永住権取得への道が開ける

留学で一定期間在留したのち技人国ビザで一定期間日本に在留すると永住権申請資格が得られます。通常は10年間の在留が必要ですが、高度外国人材ポイント制を活用することで最短1年で永住権取得が可能となる場合もあります。逆に言えば留学などの非就労系ビザのままでは、何年在留していたとしても永住権申請資格が得られることはありません(配偶者の影響で申請できる場合を除く)。

④ 家族帯同がしやすくなる

技人国ビザを取得した場合、留学ビザの時よりも配偶者や子どもを日本に呼び寄せることが容易になります。家族滞在ビザを申請することで、日本で安定した家庭生活を築くことが可能です。また、配偶者は条件付きで就労許可を得ることもできます。

⑤ 日本社会での信用向上

技人国ビザを持つことで、日本社会での信用が得られやすくなります。例えば、賃貸契約やクレジットカード申請時に有利に働きます。また、日本の社会保険制度や税制度に参加することで、将来的な老後保障も得られます。

審査期間と費用

審査期間は通常1~2ヶ月程度ですが、繁忙期(12月~3月)はさらに時間がかかる場合があります。留学生から技人国ビザへの切り替えにおいて、この審査期間を考慮し、十分な余裕を持って申請することが重要です。申請費用は2025年3月末までは4,000円(収入印紙代)ですが、2025年4月以降の申請分については値上げとなる事に注意が必要です。留学生が技術・人文知識・国際業務の在留資格へ変更する際は、これらの費用と期間を考慮した計画が必要となります。また、申請書類の準備や提出にかかる時間も考慮し、余裕を持ったスケジュールを立てることをおすすめします。

切り替えの要件と条件

技人国ビザへ切り替えるためには、以下の要件を満たす必要があります。これらの条件は日本政府が定める在留資格変更許可基準に基づいています:

学歴要件

技術・人文知識・国際業務(技人国)ビザへの切り替えにおいて、学歴は重要な要件の一つです。基本的に、大学や短期大学(日本国内外を問わず)、または日本の専門学校を卒業していることが求められます。特に専門学校の場合、「専門士」または「高度専門士」の称号を取得していることが必須となります。

留学生が技人国ビザへの切り替えを希望する場合、学歴と職務内容の関連性が審査の焦点となります。大学卒業の場合、専攻分野と職務内容の厳密な一致は必ずしも求められませんが、ある程度の関連性は重要です。一方、専門学校卒業の場合は、専攻分野と職務内容の密接な関連性が求められます。

留学生が技人国ビザへの切り替えを検討する際は自身の学歴と希望する職種との関連性を十分に考慮し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。また学歴要件を満たしていない場合でも、特定活動46号など、他の在留資格への切り替えを検討することも一つの選択肢となるでしょう。

職務内容と専攻分野の関連性

上記の通り専門学校では業務内容が専攻分野とほぼ一致していることが求められます。例えば、情報工学を専攻した場合はITエンジニアとして働くことが適切ですが、飲食店での接客業務などは認められません。関連性が弱い、あるいはほとんどない場合は特定活動46号に目標を切り替える方が望ましい場合もあるかもしれません。

留学生が技術・人文知識・国際業務の在留資格を取得する際、職務内容と専攻分野の関連性は重要な審査ポイントとなります。特に専門学校卒業者の場合、この関連性がより厳格に審査されます。例えば、経営学を専攻した留学生が、その知識を活かせるマーケティングや経理の職務に就く場合は関連性が認められやすいでしょう。一方、全く異なる分野の仕事に就こうとすると、在留資格の取得が困難になる可能性があります。
大学卒業者の場合はやや緩やかで専門学校卒業者ほど厳密な関連性は求められませんが、ある程度の関連性は必要であり、関連性がかなり薄い場合は何らかの形でフォローが必要になります。

雇用条件

給与水準が日本人従業員と同等以上であることが求められます。また、社会保険への適切な加入を行っている事業所である事も必須です。これらの条件を満たさない場合、不許可となる可能性があります。

さらに雇用契約書には勤務時間や休日、有給休暇の取得条件なども明確に記載されている必要があります。これらの条件が曖昧だったり、労働基準法に違反するような内容であれば、ビザ申請が不許可となる可能性が高くなることは言うまでもありません。

必要書類と準備方法

技人国ビザへの切り替えには様々な書類の準備が必要です。留学生が円滑に在留資格変更を行うためには、これらの書類を正確に用意することが重要です。必要書類は大きく分けて、申請者本人が準備するものと企業側が準備するものがあります。 申請に必要な書類は会社のカテゴリーによって異なる場合がありますが、カテゴリー2以上の企業以外は最低限以下の書類を準備する必要があります。留学生から技人国ビザへの切り替えでは、特に学歴や職務内容の関連性を示す書類が重要となります。また、雇用条件を証明する書類も審査において重要な役割を果たします:

申請者本人が準備する書類

  • 卒業証明書:大学や専門学校で取得したもの。
  • 成績証明書:専攻科目と職務内容との関連性を示すために必要。
  • パスポートおよび在留カード:原本を提出。
  • 写真:縦4cm×横3cm。

企業側が準備する書類

  • 雇用契約書:雇用条件(給与額など)が明記されたもの。
  • 会社概要資料:パンフレットや事業内容説明書。
  • 直近年度の決算報告書:黒字であることが望ましい。

書類作成時の注意点

技人国ビザ申請では、多くの書類を正確かつ適切に準備する必要があります。不備や誤記は審査遅延や不許可につながるため、以下のポイントに注意してください。

① 学歴証明書と職務内容との関連性を明確に示す

卒業証明書や成績証明書には専攻科目と職務内容との関連性を示す情報が含まれています。例えば、「情報工学専攻→ITエンジニア」など、理由書などで関連性について証明書との一貫性を持たせた説明が重要です。とはいえ先述の通り大卒の場合は緩和傾向であり、そこまで厳格な関連性は必要とされていないようです。

② 雇用契約書には詳細な条件を記載

雇用契約書には給与額(基本給と手当)、勤務時間、職務内容など詳細な条件を記載してください。特に給与額については日本人従業員と同等以上であることが求められるため、不明確な記載は避けましょう。最低賃金以下などは論外となります。

③ 書類は最新かつ正確なものを提出

提出書類は最新年度分である必要があります。企業側から提供される決算報告書や法定調書合計表にも誤りがないか確認しましょう。

④ 翻訳文書には翻訳者情報を添付

英語以外の外国語で作成された書類(卒業証明書など)は日本語翻訳文を添付してください。翻訳文にはできれば翻訳者名と連絡先情報を記載し、信頼性を確保するのが望ましいと言えます。

⑤ 書類不備時には速やかに対応

入管から追加資料要請があった場合には迅速に対応してください。不備への対応が遅れると審査期間が延びたり、不許可となるリスクがあります。

在留資格変更手続きの流れ

以下は在留資格変更手続きの一般的な流れです:

  1. 必要書類の準備:申請者本人および企業側で必要な書類を揃えます。
  2. 地方出入国在留管理局で申請:住居地を管轄する入管局で申請します。
  3. 審査期間中の対応:追加資料要請があった場合は迅速に対応します。
  4. 結果通知後、新在留カード受け取り:許可後、新しい在留カードが発行されます。
  5. 就労開始:新しい在留資格を取得後、雇用契約に基づいて就労を開始します。技術・人文知識・国際業務の在留資格で認められた活動範囲内で働くことができます。

審査で重視されるポイントと注意点

学歴と職務内容の関連性を示す方法

成績証明書や卒業証明書を提出し、理由書などで専攻分野と職務内容との関連性を具体的に説明します。

雇用条件(給与額、社会保険への適切な加入)の確認

給与額が日本人従業員と同等以上であることを証明するため、雇用契約書には基本給や手当など詳細な内訳を記載してください。

企業の信頼性と安定性

雇用先企業の経営状況や規模も審査の対象となります。特に、企業の財務状況が安定しているか、適切な従業員管理を行っているかなどが確認されます。

不許可となるケースとその対策

  • 給与水準不足:給与水準が低い場合、不許可となるリスクがあります。
  • 職務内容不一致:専攻分野との関連性が不十分な場合も不許可となります。
  • 虚偽申請:実態のない雇用契約書や虚偽情報提出は厳しく取り締まられています。

よくある質問とトラブル事例

留学生が技術・人文知識・国際業務の在留資格への切り替えを行う際、様々な疑問やトラブルに直面することがあります。以下に、よくある質問とその回答、および注意すべきトラブル事例をまとめました。

Q: 専門学校卒業後に切り替えできるか?

A: 専門学校卒業者でも「専門士」または「高度専門士」の称号を取得していれば切り替え可能です。ただし、大卒者よりも職務内容との関連性が重要となります。特に専門学校で学んだ分野と就職先での業務内容の一致が求められます。例えばIT関連の専門学校を卒業した場合、システムエンジニアやプログラマーなどの職種であれば関連性が認められやすいでしょう。一方で、全く異なる分野での就職を希望する場合は、留学から技術・人文知識・国際業務への切り替えが困難になる可能性があります。そのため、専門学校在学中から将来の就職先を見据えて学習し、関連性の高い職種を選ぶことが重要です。

Q: 日本語能力はどれくらい必要か?

A: 技人国ビザでは日本語能力試験(JLPT)のスコアは必須ではありません。ただし、日本語能力が高いとプラスアルファとして審査で有利になる場合があります。とはいえあくまでもプラスアルファとしてであり、他の要件(学歴と職務内容の関連性や給与水準など)を満たしていない場合には、それをカバーできるわけではありません。留学生が技人国ビザへの切り替えを目指す際は、日本語能力の向上に努めつつ、他の必要条件もしっかりと満たすことが重要です。

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