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エンジニア・IT技術者の技人国ビザ取得ガイド|申請のポイントを解説

エンジニアやIT技術者が日本で働くためには、「技術・人文知識・国際業務」ビザ(通称:技人国ビザ)が必要です。このビザはIT業界を含む専門的な職種に従事する外国人が取得するもので、学歴や実務経験、職務内容が審査の重要なポイントとなります。本記事では特にエンジニアやIT技術者向けに、技人国ビザの取得要件、申請手順、必要書類、注意点を詳しく解説します。

技人国ビザとは?

技人国ビザは日本の企業で専門的な知識や技術を活用する業務に従事する外国人が取得する就労ビザです。IT業界でもシステムエンジニアやプログラマーなど、高度な専門性を持つ職種が対象となります。このビザを取得することで日本国内で合法的に働くことが可能になります。

IT業界での主な適用例

IT業界では、多くの職種が技人国ビザの対象となります。例えば、システムエンジニアやプログラマーはもちろん、ネットワークエンジニアやデータベース管理者なども含まれます。これらの職種では高度なプログラミングスキルやシステム設計能力が求められるためであり、単純作業や補助的業務は技人国ビザの対象外です。

他の在留資格との違い

「特定技能」と異なり、技人国ビザは特定分野に限定されない柔軟性があります。一方で高度専門職ビザと比べると永住権取得までの期間短縮などの優遇措置はありません。また、単純作業や補助的業務は対象外であるため、職務内容には注意が必要です。ただ、技人国ビザで在留する場合であっても、高度人材ポイントを満たしている場合は高度専門職ビザでなくとも優遇措置を受けること自体は可能です。

エンジニア・IT技術者向けの取得要件

技人国ビザを取得するには、学歴要件または実務経験要件を満たす必要があります。また、専攻分野と職務内容の関連性が審査の重要なポイントとなります。

学歴要件と実務経験要件

学歴要件としては、大学または専門学校(専門学校は日本国内に限る)で関連分野を専攻し卒業していることが求められます。例えば、情報工学やコンピュータサイエンスを専攻している場合、プログラマーやシステムエンジニアなどの職種に適用されます。一方で、学歴がない場合でも10年以上の実務経験があれば代替可能です。さらに、「IT告示資格」(情報処理技術者試験合格者)を保有している場合は学歴・実務経験不要となる特例もあります。

専攻分野と職務内容の関連性

専攻分野と職務内容の関連性は審査において非常に重要です。例えば、情報工学専攻者がプログラマーとして働く場合や電気工学専攻者がネットワークエンジニアとして働く場合など、専攻科目と従事予定業務との一致が基本的には求められます。関連性が不明確な場合、不許可となる可能性があります。とはいえ関連性については大卒者を中心に近年緩和傾向にあり、そこまで厳密な関連性は求められていないようです。

必要書類と申請手順

申請には複数の書類が必要ですが、それぞれ正確かつ具体的に準備することが重要です。また、オンライン申請システムを活用することで手続きを効率化できる場合があります。また、雇用企業の規模(カテゴリー)によって必要な書類は異なりますが、以下の書類は雇用契約書等除き、どのカテゴリーの企業であっても必要になります。

主な必要書類一覧

主な必要書類として以下があります:
- 卒業証明書:大学または専門学校で取得した学位を証明するもの。海外の場合、日本語翻訳を添付してください。
- 成績証明書:専攻科目と職務内容との関連性を示すために必要です。
- 在職証明書:実務経験を証明するために必要です。具体的な役割や成果を記載してください。
- 雇用契約書等:雇用条件(給与額等)を記載したもの。日本人と同等以上の給与水準であることを示します。
- パスポートコピー:全ページのコピーが求められる場合もあります。
- 写真:縦4cm×横3cmサイズ。

申請手順

在留資格変更許可申請の場合、申請手順は以下の通りです:
1. 必要書類を準備し、不足しているものがないか確認します。
2. 地方出入国在留管理局へ申請します。この際、不備があると受理されない可能性がありますので注意してください。
3. 審査期間中に追加資料要請があった場合は迅速に対応します。
4. 結果通知後、新在留カードを受け取ります。通常、このプロセスには1~3ヶ月程度かかります。

審査で重視されるポイント

専門性・技術性の証明方法

審査では、職務内容が高度な専門性を有していることを具体的に説明する必要があります。例えば、「JavaによるWebアプリケーション開発」や「AWS環境でのクラウドインフラ構築」など具体的な業務内容を記載してください。また、プロジェクト規模や役割についても詳細に説明すると効果的です。なお、「なぜその人材が必要なのか」の説明が必要な事は当然です。

雇用条件(給与水準、雇用形態)

給与水準については、日本人従業員と同等以上であることが求められます。これは公平性確保の観点から重要視されています。また、正社員として雇用される場合は審査が比較的スムーズですが、雇用ではなく請負契約であったりする場合は受入企業側にも追加資料提出義務が生じることがありえます。

技人国ビザ取得後の注意点

転職時の手続き

転職時には「所属機関等に関する届出」を行う必要があります。この届出は転職後14日以内に行わなければなりません。届出を行っていなくとも在留資格取り消しなど重大なペナルティにはなりませんが、永住申請を行う際などにちゃんと届け出るように入管から指導されることはあります。また、新しい雇用先でも同じ在留資格で活動できるか確認することは更新できるかのポイントになるのでとても重要です。

在留期間更新時のポイント

更新時には就労実態や納税状況が確認されます。そのため、転職時は給与明細、その他は課税証明書・納税証明書などを準備しておきましょう。また、新たな契約条件(更新後も同じ給与水準かどうか)についても確認されるため、不備なく対応しましょう。

6. よくある質問とトラブル事例

技人国ビザの申請においては、多くの申請者や企業が共通して抱える疑問や、実際に起きたトラブル事例があります。本セクションでは、これらの質問に答えるとともに、トラブルを未然に防ぐためのポイントを解説します。

不許可となるケースと対策

技人国ビザが不許可となる主な理由には以下があります:

  • 専攻分野と職務内容が一致しない:例えば、教育学部卒業者がエンジニア業務を行う場合など、学歴と業務内容に関連性がない場合は不許可となります。
  • 雇用条件が不適切:給与水準が日本人従業員よりも低い場合や、契約内容が曖昧な場合も不許可のリスクがあります。最低賃金を下回るなどは論外となります。
  • 受入れ企業に問題がある:企業の経営状況が不安定である場合や、過去に外国人労働者を不適切に扱った経歴がある場合も影響します。

これらを防ぐためには、事前に雇用契約書や職務内容説明書をしっかりと準備し、学歴や職歴との関連性を明確に示すことが重要です。また、専門家に相談することで、不備を未然に防ぐことができます。

日本語能力はどれくらい必要?

技人国ビザでは、日本語能力試験(JLPT)のスコアは必須ではありません。ただし、業務遂行上必要な日本語能力が求められる職種の場合は高い日本語能力を持っていると審査で有利になることがあります。特にクライアント対応やチーム内でのコミュニケーションが必要な職種では、日本語能力を証明する書類を添付することを推奨します。とはいえあくまでもプラスアルファであり、学歴や職歴を満たしていない場合に日本語能力があるからといって要件を満たしていることになったりはしません。

その他のよくある質問

  • Q: ビザ申請中に転職した場合はどうなりますか?
    A: 転職後14日以内に入管へ「所属機関等に関する届出」を行う必要があります。また、更新を考える上で新しい雇用先での職務内容が現在の在留資格で認められる範囲内であることを確認することをお勧めします。
  • Q: 不許可になった場合、再申請は可能ですか?
    A: 不許可通知書を確認し、不許可理由を改善した上で再申請可能です。ただし同じ内容で再申請しても結果は変わらないため、入管と協議したり専門家への相談を行うことをおすすめします。
  • Q: 家族帯同は可能ですか?
    A: 技人国ビザ保持者は「家族滞在」の在留資格で配偶者や子どもを帯同することができます。ただし、扶養能力(収入)が審査対象となります。

まとめ

技術・人文知識・国際業務ビザ(技人国ビザ)は、エンジニアやIT技術者が日本で働くために必要な在留資格です。このビザを取得するためには、学歴や実務経験、職務内容の関連性が重要な審査ポイントとなります。また、申請時には卒業証明書や雇用契約書などの必要書類を正確に準備し、専門性や技術性を具体的に証明することが求められます。

さらに、転職時の手続きや在留期間更新時の注意点を理解しておくことで不許可やトラブルを未然に防ぐことが可能です。フリーランス活動や請負契約についても慎重に対応する必要があります。

本記事では申請要件から手続きの流れ、よくある質問まで包括的に解説しました。これを参考に、スムーズなビザ取得と日本でのキャリア形成を目指してください。

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