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特定技能制度は2019年4月に創設された在留資格で、人手不足が深刻な産業分野において、即戦力となる外国人材を受け入れるための制度です。 従来の技能実習制度が「人材育成を通じた国際貢献」を建前としていたのに対し、特定技能は国内人材確保が困難な状況にある産業分野での「労働力確保」を明確な目的としています。
2024年3月29日の閣議決定により、対象分野が従来の12分野から16分野へ拡大されました。 さらに、2025年6月には技能実習制度の廃止と「育成就労制度」への移行が法律で定められ、2027年度からは特定技能が外国人材受入れの実質的な中核制度となることが確定しています。
なお、特定技能と他の就労資格(特に「技術・人文知識・国際業務」)との違いや、どちらを選ぶべきかについては、以下の記事で詳しく比較解説しています。
👉 特定技能と技術・人文知識・国際業務の違いは?変更要件とメリット・デメリットを徹底解説
特定技能制度では受入れ可能な分野が法務省令・分野別運用方針で厳密に定められており、2026年1月現在、以下の16分野が対象です。
介護
ビルクリーニング
工業製品製造業(旧:素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業を統合)
建設
造船・舶用工業
自動車整備
航空
宿泊
農業
漁業
飲食料品製造業
外食業
自動車運送業(2024年追加:トラック・バス・タクシー)
鉄道(2024年追加:運転士・駅係員・保線等)
林業(2024年追加)
木材産業(2024年追加)
このうち特に工業製品製造業分野については、産業分類49分類・業務区分10区分という細かい要件が定められているため、事前の該当性判断が不可欠です。詳細は以下の記事で解説しています。
👉 【2026年最新】特定技能「工業製品製造業」の該当性判断ガイド|産業分類49分類・業務区分10区分の確認手順
2023年以降の制度改正により、特定技能2号(熟練技能)の対象分野も拡大されました。現在は、介護(※在留資格「介護」へ移行するため)、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業を除く11分野で2号受入れが可能です。
【注意】工業製品製造業の「2号」は範囲が狭い 工業製品製造業分野の1号は10区分(縫製や印刷を含む)が対象ですが、2号は「機械金属加工」「電気電子機器組立て」「金属表面処理」の3区分のみに限定されています(2026年時点)。将来的なミスマッチに注意が必要です。
なお、最新の分野追加や2025年4月からの届出ルール変更(定期届出の年1回化など)については、以下の記事でまとめています。
👉 【2026年最新】特定技能の分野追加・運用改善・届出ルール変更まとめ|受入企業と外国人が押さえる改正ポイント
特定技能には「1号」と「2号」があり、在留期間・家族帯同・永住権へのカウントなど、待遇に決定的な違いがあります。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 通算5年まで | 無期限(更新可能) |
| 家族帯同 | 原則不可 | 可能(配偶者・子) |
| 技能水準 | 相当程度の知識・経験 | 熟練した技能 |
| 永住申請 | カウント対象外 | カウント対象 |
| 試験 | 技能試験+日本語試験 | 技能試験のみ(ただし試験言語が日本語のみで難易度はかなり高い) |
よくある誤解ですが、特定技能1号で5年働いても永住申請の要件である「就労資格5年」にはカウントされません。 (出入国在留管理庁のガイドラインで明確に除外されています)
永住権を目指す外国人の場合は、特定技能2号への移行、または「技術・人文知識・国際業務」「配偶者ビザ」等への変更が必須ルートとなります。具体的な永住戦略については、以下の記事で解説しています。
👉 特定技能から永住権はいつ取れる?1号の期間カウントと「技人国・配偶者ビザ」への変更ルート
2024年6月に改正入管法等が成立し、技能実習制度は2027年度から「育成就労制度」に移行します。
育成就労制度は、「人材確保と人材育成を目的とする新しい制度」であり、技能実習との大きな違いは以下のとおりです:
3年で特定技能1号へ移行することを基本ルートとして設計
一定条件下(同一業務区分、就労1〜2年超など)での本人意向による転籍(転職)が可能
分野・業務区分は特定技能1号と原則同一
今後は「育成就労(3年)→特定技能1号(5年)→特定技能2号(無期限)」というキャリアパスが外国人材雇用のメインストリームになると考えられています。受入企業はこの長期的な流れを見据えた採用・育成計画を立てる必要があるといえるでしょう。
特定技能外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)には、以下の義務があります。
労働関係法令・社会保険関係法令の遵守
日本人と同等以上の報酬を支払うこと
分野別協議会への加入(在留諸申請前に必須)
1号特定技能外国人支援計画の作成・実施
特定技能1号の場合、受入れ機関は入国前のガイダンス、住居確保、日本語学習支援、定期面談(3か月に1回)などの義務的支援を行わなければなりません。 自社での実施が難しい場合、登録支援機関に全部委託することが可能です(相場:月額2〜3万円/名)。
特定技能制度に関して、企業や外国人本人から頻繁に寄せられる質問(転職、副業、支援委託など)については、以下の記事で詳しく回答しています。
👉 【2026年最新】特定技能Q&Aまとめ|永住権・家族帯同・転職トラブルなど「現場の疑問」に行政書士が回答
主な質問項目:
特定技能1号で5年働けば永住権を申請できますか?
技能実習2号を修了すれば試験免除で特定技能に移行できますか?
特定技能外国人は転職できますか?
別の会社でアルバイト(副業)は可能ですか?
2027年度以降、育成就労制度の本格運用により外国人材の受入れは「特定技能」を中心とした一本化されたキャリアパスへ移行を政府は目指していると思われます。
受入れ企業に求められる対応:
分野・業務区分の正確な確認:特に工業製品製造業などは該当性判断が複雑。
協議会・JAIM等への加入:申請前の必須要件をクリアする。
キャリアパスの提示:永住権を見据えたステップ(2号や技人国への変更)を示すことで、優秀な人材を定着させる。
特定技能制度は今後の日本の労働力を支える中核制度に位置付けられます。最新の法改正・運用改善に対応し、適切な受入れ体制を整備しましょう。